EF16-35 f2.8L 木っ端微塵に

ガシャーン!!

大きな音が、僕の後ろで響いた。
何の音なのかはすぐにわかった。
三脚が倒れた音だ。

振り返ると、そこに見えたのは、

ヤギのOPERA

「お、お、お前、まさかぁ」
すぐに、駆け寄っていくと、倒れた三脚が見えたが、そこには、ポッキリ折れたレンズが。
「あちゃちゃちゃちゃ、レンズがふっ壊れてる」
折れたレンズの先端部分が、坂道をコロコロと転がっていく音が聞こえた。

OPERAの方を向くと、そそくさと逃げていく。
「あいつ、やっちゃたことがわかってやがるな」

でも、今日は怒らない。
なぜなら、うちには、レンズがいっぱいあるからである。

ただ、動画用の一眼レフカメラ本体は一台しかないので、カメラが動くかどうかが気になったが、どうやら、損害はレンズだけのようだった。

今回壊れたレンズは、Canon 16-35mm f2.8L USMというレンズ。
プロユースのレンズで、新品価格は20万円ほど、現在の中古市場の実売価格は、3-4万円だ。

今、うちにあるレンズはすべて、メーカーにおいて、修理可能期限を過ぎてしまったもの。
壊れた際には、すでに部品は製造していないので修理できないのである。

仕事で使用して、いざ壊れてしまったとなると困るので、修理可能期限を迎えた機材は買い換えるようにしているのだが、それでも、まだまだ使えるものばかり。
ほとんどのものは売却するが、若干の不具合があるようなものは、売っても二束三文なので、僕が、山で使うようにしているのだ。

今回、壊れてしまったレンズも、そんな中の一本。
代わりのレンズは、いくらかあるので、買えば高いレンズだが、さほど気にする必要はないのである。

OPERAくんは「今日は、何で、怒らねーんだ?」と、不思議な目で僕を見ている。
「俺は、仏の心になったのだよ、OPERAくん・・・」と、うそぶいてみた。

カメラは、若干の不具合で使い物にならないが、レンズは、多少の不具合は問題無しなのである

なぜかというと、カメラの場合は、ボタンが押せなくなるとか、ダイヤルが回らない、液晶が表示されないなど、一箇所でも不具合があると、撮影自体が不可能になってしまうことが多い。

かたや、レンズの不具合というのは、例えば、ピントリングが回らないことになても、オートフォーカスなら関係なく、自分で調整ができないというくらいである。
今回のレンズは、この不具合があった。

他には、AF-MFの切り替えスイッチが動かない場合は、ずっとAFで問題なし。
レンズ内に多少のカビが発生しても、撮影自体にはほぼ支障なし。ただし、もちろん、仕事では使わない。

致命的なのは、カメラがレンズを認識しないという電気的な故障の場合。
残念ながら、これは、OUTなのだ。
結局、今の時代、物理的な故障よりも、電気的な故障の方が多く、それによって製品の寿命が短くなってしまっている。
便利で多機能な反面、長く使えないのだ。

そんなわけで、代わりのレンズは、なかなか出番がなかった10-22mm f3.5-5.6に変更した。
どんな世界においても、世代交代は必要なのだな。
と言っても10-22も相当古いけど・・・

倒れた際、レンズの先端から地面に当たったのがわかる
ポッキリ折れてる

レンズの重みで、レンズ先端から地面に落ち、レンズが折れてくれたことでBodyへの衝撃が緩和したように思える。
Bodyとワイヤレスマイク受信機に損傷がなかったのは、本当によかった。

お金の余裕は、心の余裕...かもしれない

今回の出来事で学んだことがある。
今回、僕はレンズがポッキリ逝っても、怒りの感情は瞬間で終わった。
前述したが、レンズに換えがあったからだ。

そのため、心に余裕があった。
僕の頭の中には、すぐさま机の上に置きっぱなしにしていた代わりとなるレンズの映像が浮かび上がった。

細かいことを言えば、壊れた方のレンズは【Lレンズ】と言ってプロユース、代わりのレンズはコンシューマーユースのレンズで、レンズの出来はまったく違う。
しかし、そんな細かいことを考えればキリがないので、こう考えるだけで解決とした。

「16-35は、活躍の場を10-22に譲ったんだな」

『物』たちにも意思があると考えれば、OPERAのせいではなく、こうした世代交代が物同士で行われた結果であると言える。
OPERAは、ちょいと道具として使われただけだろう。

そうした、偉大なる企みの、真の意図が分からずに声を荒げるなどというのは大人気ないのだ。
と、自分を納得させる部分はあるが・・・

今回、僕はレンズをいくつか持っていて、それが高級レンズであっても、日常使いしていることで、あまり、金額的に気にしていなかった。
それによって、気がついたことがあった。

「お金の余裕は、心の余裕に繋がる」

お古のレンズが、お金に例えられるわけではないけど、それでも、お金の価値は、その人の資産状況によって大きく変わる。
もちろん、お金持ちほど一円の価値を知っているとは言うが、それでも、食費に困るほどの人の千円と、プライベートジェットで世界を飛ぶ人の千円では、まったく違うだろう。
(ジェットは、エンジンかけただけで千円など消えるが、カブなら500キロも走れるし)

僕は、死に物狂いでお金を稼ごうと言う気はないが、それでも、お金を稼ぐことは常に考えている。
山で、ただ遊んでいるように見えても、実際は、次のビジネスについて考えているのである。

ってことで、なんだかんだ言っても、やっぱり、お金は大事なんだな。

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