法人確定申告を初めて自分でやった

今年で、創業20年になるが、初年度から税理士さんに依頼をしていたので、法人の確定申告を自分でやったことがなかった。
たぶん、多くの会社経営者も、経理担当者たちも、実際に、法人の確定申告を自分でやったことはないと思う。

個人の確定申告であれば、僕も、必要な年には自分でチャチャっとやっているので、法人と比べて、比較的簡単に行えることはわかるし、自分で確定申告をやっているという個人事業主も多いことだろう。

経営を20年やっているし、高校では商業科で簿記は得意な方だったし、税理士さんに丸投げと言うこともなく、結構、自分の手で経理業務を担ってきた自負もあり、決算書に書かれていることは、それなりに理解しているつもりでいたから、法人の確定申告も無理ではないと考えていた。

しかし、実際に進めていくと、まったく意味不明なことだらけ。
とりあえず、過去の決算書と経理のデータを見比べながら、何をどう書いていけばいいのかを突き止めていった。

消費税申告を先にやらなければならなかった

確定申告の作業を最初にやったのは間違いだったことに、あとで気がついた。
この時期に行う申告は三つある。
地方税の申告と消費税の申告と確定申告である。

僕は、最も重要視するべき確定申告から取り掛かったのだが、まず最初にやるべきだったのは、消費税の確定だった。
消費税の仕組みは分かっているので、問題ないと思っていたのだが、これが、とんでもない間違いであることに気がついた。

クラウド会計では、消費税の税額は自動計算されるので、その金額に間違いはない。
しかし、実際の申告には、千円未満を切り捨てるとか百円未満を切り捨てるなどと言う、ややこしいことになっているため、結局、そう難しいものではないし、誤差も対してないのだが、それでも、計算をやり直さなければならない事態になっている。

それによって、数百円の消費税を納税しなくても済むようになっているが、この数百円のために、こっちは、どれだけ時間を食われたかわからない。
なんのために、切り捨てと言う数字にしているのか?
税務署が、わかりやすいようにしているのだろうけど、本当に、面倒であった。

この消費税額の算出で数百円変わるため、一度行った確定申告の数字を変えなければならず、結果、二度手間になってしまったのである。

e-TaxソフトとeLTAX(PC Desk)のためにWindowsとParallels Desktopを導入

今回、法人の確定申告をオンラインで行うためには、オンライン申告システムであるe-Tax WEB版ではなく、e-Taxソフトと言うものを入れる必要があった。
しかし、こいつは、Windowsにしか対応していない。
今までも、何かをMacでやろうとすると、Windowsでしか出来ないことはあった。
とはいえ、行政の手続き関連のことだけだけど。
その度に、古いWindowsのラップトップを引っ張り出してきて、なんとかかんとか作業を行っていたのだが、今回は、そんな古いラップトップで済ませることができるような作業量ではないことは明らかだった。

そのため、MacでもWindowsが動く、Parallels Desktopを導入した。
10年ほど前までは、これを使ってWindowsを動かしていたのだが、時代がMacを認めるようになってきて、徐々にWindowsでしか出来ないことが減っていったため、使わなくなっていたのだが、またも、必要になるとは思ってもいなかった。

Windowsの使い心地と、MacとiPhoneとAndroid

実際、Windowsを久々に使ってみると、しばらく前にiPhoneからAndroidに変えた感覚によく似ていた。
Androidの使用感は、Windowsを参考に作られていることがよくわかるほど、同じように感じる。
本当は、Microsoft社とGoogle社の製品で、違うものなのだろうが・・・提携でもしているのかな?と思えるほどだ。

そんなわけで、Apple製品である、MacとiPhoneは当然同じで、WindowsとAndroidもとっても似ている操作性である。
もう、まともに10年ほどWindowsを使ってこなかったので、使い方に戸惑ったところはあったが、今回の件で、だいぶ分かった。

結論から言うと、やっぱり、Appleは使いやすい。
とはいえ、WindowsやAndroidもいい面はある。
きっと、それに慣れば、どうと言うことはないし、Androidの方がアプリが豊富で選び放題なのもいい。

実際、最も大きな違いは、本当にめちゃめちゃ細かいところのApple製品のユーザビリティーの良さである。
まあ、それも慣れだろうけど、僕が、ずっとMacやiPhoneを使ってきたため、そう感じるところも大きいのだろうけど。

昔と変わらぬ、やたらと落ちるアプリケーション

MacとiPhoneで、アプリケーションが落ちると言う経験はあまりない。
たまに落ちるのは、動画編集ソフトであるFinal Cut Pro X だ。
動画編集で、あまりにも、CPUやメモリーに負担をかけると、たまに落ちる。

しかし、Androidに変えてから、SONYのスマホ接続アプリがやたら落ちる経験をしている。
今まで、日本製って素晴らしいと思ってきたのだが、もうすでに、そんなものは無くなっている時代になったのだろう。
Androidに変えようと思った時に、SONYを選んではみたものの、高性能な日本製というものではく、中国製でも韓国製でも変わりないか、もしかしたら、そっちの方が良かったとも思えてしまう。

考えてみれば、自作でPCを作っていた時、マザーボードは台湾製、メモリーも韓国製か台湾製、CPUはアメリカ製、HDDは、かろうじて日本製であったが、HITACHIのHDDが買ったばかりで二つ同時に壊れて、大量の動画データを紛失したばかりで、HDDに関しても、日本製は信用できない。
今となっては、日本製は、海外製と比較して、なんの優位性もないというのが現実的なところだろう。

Windowsも相変わらず落ちる。
Appleの昔のCMを思い出した。
MacくんとパソコンくんのCM。

申告のためのe-Taxソフトがやたらと落ちた。
せっかく入力したデータが消えてやしないかとヒヤヒヤしっぱなしだった。
こうした現象は、ずっと変わらずなんだな。

なんでもややこしくしたがる行政の人々

労働することを増やすことで雇用を増やし、国民を豊かにしようとする政策がいまだに続いている。
それを、少し改善する方向に向けているのが、最近話題のデジタル庁とか、押印を無くすとかそんなとこなのだろうけど、今回の確定申告一つとっても、とんでもなく無駄だと思える内容が満載だった。
その一つが、前述した消費税の端数切り捨てだが、もう一つ多かったのが「転記」である。

同じ数字を、いろんな場所に転記する作業が満載。
こんなものも、自動で作成してくれるようなアプリケーションもあるのだろうけど、僕が使っているマネーフォワード会計からできるのは、○○の達人という達人シリーズと言われるもの。
価格を見ると、年間、数万円をいくつも契約しなければならないようになっていて、小規模事業者が取り入れるような代物ではなかった。

法人の確定申告も、今回は初回のため苦労したが、もちろん、こんなものも慣れてきて、そのうち、ちゃっちゃと出来るようにはなるとは思うが、それでも、僕からみたら、ムダムダムダムダの連続であったことは間違いない。

高度成長期に労働力を補充せずに効率化したことが日本の発展に繋がったらしいこと

今では、世界第三位となったが、一昔前までは、アメリカに次ぐ第二位だった経済大国日本。
どこかで読んだ話ではあるが、ヨーロッパでは、産業革命の際に、アフリカなどから黒人を連れてきて、急増する需要に追いつくために労働力を増強した。
しかし、戦後の高度成長期に、日本は、外国からの労働力を入れないで、日本人のみの労働力にプラス効率化という方法をとって、高度成長期を乗り切った。
そのため、世界第二位の経済大国へと成長できたということらしい。

しかし、日本は、30年もの間、ほとんど、まったく成長せずに停滞している。
僕は、今回の確定申告において思ったことの一つが、企業は効率化を進めていても、行政がまったく効率化していないという問題があるのではないかと考えた。

今後、行政改革が進んでいくとは思うが、そのスピードは、期待するほどではないだろう。
それは、なんでも改革には、抵抗勢力が台頭するという仕組みになっているからである。
効率化に対して、徹底して反対して阻止しようとする連中の方が、勢力が強大であることは、いつの時代も同じだし、そうした人々というのは、往々にして年配者が多い。

今までやってきたことを変えることに恐怖する人々だ。
日本の人口比率を見れば、改革がうまくいかないことは明らかである。

そう思うと、コロナショックのような、とんでもない事態が、もっと大きなレベルで勃発し、それも、変わるまで何度でも起きる必要があるのかもしれない。
そして、良い例ではないが、第一次世界大戦後のドイツのように、とてつもなく強力なリーダーシップを発揮して、全体を率いていく人間が現れなければならないだろう。

まあ、とにかく、とりあえず、法人の確定申告は終わった。
税務署から、申告内容の不備を指摘される可能性も高いが、それはそれでお勉強代として受け入れる覚悟である。
結局は、税理士に依頼するよりも、追徴課税の方が安く済むだろうし、自分の勉強にもかなりなったのだ。
今まで、それなりに会社の経理や決算書のことが分かっていたつもりだったが、今回、細かい部分も分かったことは、とても良かった。

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