というタイトルなどを書くと、どこで売っているのか?どこの会社が作っているのか?いくらなのか?と、多くの人は、売っていることを前提に考える。
もちろん、東京に住んでいた頃なら、僕自身もそう考えていただろう。
しかし、残念ながら、僕が48年の人生の中で味わった、最も旨い干し柿は、売ってない。
完全、手作りだからだ。
これも、プライスレスの一つである。
いつもの山友の手作り干し柿。
サイズは、ドドーン!と、3Lサイズってところだろうか。
外側は、完全なドライ、しかし、中はトロットロで、ググッと甘い。
去年、僕も手作り干し柿に挑戦したが、からっからに乾燥し過ぎて、まったく旨くなかった。
今まで食べた干し柿も、美味しいものはたくさんあったが、今回、山友が持ってきてくれた干し柿が、圧倒的NO.1だった。
山友も「今まで作った中で、今年のが一番美味しいかも」とのこと。
売っている干し柿が、手作り干し柿に負ける訳
これは、干し柿に限らず、ほとんどの野菜や果物に言えることだが、売っているものよりも手作りの方が美味しいということは多い。
今回の干し柿で言えば、干し柿を売って利益を得ている人たちは、毎年、確実に同じ品質の干し柿を生産しなければならない。
しかし、干し柿というのは、柿の出来以上に、天候に左右される。
そのため、毎年、同じ品質のものを、大量に生産するというのは難しい。
ここからは、旨い干し柿が売っていない訳を、僕なりの推測でお話しする。
干し柿というのは、渋柿の皮を剥いて、軒先に吊るしておくだけという簡単な製造工程なのだが、大量生産するとなると、ただ吊るしておくのでは、品質にばらつきができるし、雨が降り続いても、乾燥し過ぎても困るものだ。
そこで、大量生産によって製造される干し柿というのは、外に吊すのではなく、乾燥室などに入れて作るのではないかと思う。
こういうことは、多くの食品で行われていることで、干し柿だからといっても、特に珍しくはない。
納豆だって、本来は、藁に付いている菌を利用して作るものなのに、発泡スチロールのパックの中で、菌を振りかけて製造しているし、ベーコンなどは、本来は燻製することで出来るものなのに燻製などしていない。
牛乳は、年中、脂肪分が3.5%以上あるが、本来であれば、特に冬は、もっとずっと脂肪分が下回るはずなのに、3.5%を下回ると「牛乳」として売れないため、餌の中にいろんなものを入れて、脂肪分を高めるようなことをしている。
野菜は、化学肥料で作られているし、虫も食わない農薬付けのものを人間は食べている。
最近では、土ではなく、肥料の溶けた水だけで生産されていて、単に化学物質を「野菜」という物質に変換しているだけの科学が作り出した製品に他ならない。
まあ、こんなことを言ったらキリがないのでやめておくが、とにかく、今回、持ってきてくれた手作り干し柿は絶品だったってことである。