アースオーブン土盛り完了

一ヶ月半前から制作してたアースオーブン(土窯)の土盛りが完成した。
二週間前にすでに完成していたのだが、その際、制作した四人の手形を付けてみた。
ところが、あとで写真を見てみると、どうにも幼稚でダサく見えてきて、結局、ブログに記事を上げるのをやめてしまった。

それから二週間、どういったデザインにしようかと考え、土でのっぺりとした表面ではなく、草を大量に入れ、草で覆われているようなワイルドな外観にしてみようと考えた。
草と土が7:3ほどにして、土をつけると言うよりも、草をつけると言うような感じで表面を覆い、さらに、草がきっちりと密着するように、拳で叩いた。
叩いた部分をそのままにして、よりロックな表情にしてみた。
完成後、写真を撮り、その日の夜に写真を見ると、、、、

なんか、田舎臭い

と、感じてしまった。
山だけど、田舎臭いのはちょっとなぁ。
ってことで、表面を撫で、滑らかにするとともに、最初に考えていた、手でなぞったラインの表面にすることにした。

写真を撮って見てみる。
まあ、平凡な感じだが、結局、これがいいように思えてきた。
大量に草を入れたことで、表面に、草が浮き立っている事で、単に滑らかな表情ではなく、凹凸感が出ている。

内側の蓄熱層は10cm程度で、外側には、切った古いヨシズを入れて、さらに10cm程度の断熱層とした。
ここに盛られた土の量は、軽トラの荷台すり切り2/3というところで、かなり多いと思ったが、空気を抜きながら盛って行くことで、コンパクトな量になった。
それでも、重量として数百キロに達するし、石の分も入れたら相当な重量になる。

建築物もそうだが、出来上がってしまえば「ふ〜ん」程度にしか思わないが、そこに使われている材料の量や重さ、大掛かりな作業工程を思うと、ずいぶんと大きなことをやっているように感じてくる。
今回のアースオーブンも、構想自体は随分前のことだ。
アースオーブンには屋根が必要なのだが、オーブンの上だけに屋根をかけるのではなく、屋外キッチン&ダイニングとして利用できるようにと、15畳程度の広さ全体に屋根をかけるところから始まった。
屋根をかけ、テーブルを作り、薪ストーブを置き、キッチンまで自作した上で、アースオーブンに取り掛かったのだ。
それを思うと、かなり大掛かりなことをやっている。

昔、よく会社のスタッフに言っていたことがある。
「毎日、ほんの少しでいいから向上しろ、日々の成長は見えなくても、重ねていけば大きくなる。コピー用紙一枚は、薄くて厚みなど感じないかもしれないが、それが重なれば存在がはっきりする」
「自分でも、他人にも、日々の変化は感じ取れないが、気がついた時には日々の積み重ねが大きな差を生んでいることに気がつく時が来る」と。

「自分には出来ない」と思う人というのは、始める前と結果だけを見て、その間の工程がイメージできない。
その工程があまりにも長く複雑だと感じるため、出来ないという結論を出す。
しかし、チャレンジする者というのは、工程がイメージできず、長い長い道のりに思えても、日々、小さく積み重ねていけば、いつかゴールにたどり着けることを知っているのだ。

「出来ない」と言ってやらない人と、チャレンジする人の違いは、単に「できるまでやる」かどうかだけで、実際、能力に差などない。
やらない人にとって、日々の向上と進行具合が目に見える形で現れなければならないと思っているが、本当にやる人というのは、毎日の積み重ねなどほんの少し過ぎて違いなどわからないほどなのだ。
ただ、知っているのは、毎日、小さな石ころを積んでいき、それが、いつか必ず大きな山になって行くということだけである。

地道に石を積み土台を作り、地道に土を盛り窯を作っていく。
窯作りも人生もまったく同じだ。

  • B!