今まで、山でカラスを見ることはあった。
僕の住む小屋の近くにもよく来ていた。
みかんやイチゴを狙いに来ることもあったし、頭上ギリギリを飛行していくこともあった。
それでも、カラスを怖いと感じたことはなく、なかなか賢い隣人としか思っていなかった。
個別に行動していることもあるが、彼らは大抵何匹かで行動している。
それでも、多い時でも7,8羽というところだった。
しかし、昨日は違った。
カーカーと鳴く声が聞こえ、それが、いやに多く鳴いているような気がしたので、ふと上を見上げてみて驚いた。
今まで、見たことのない程の大群が飛んでいる。
高い位置に飛んでいるため、写真では、単に黒いポツポツにしか見えないのだが、そのポツポツが全てカラスだ。
写真に入っているだけでも、数えてみると60羽ほどいるが、写真に写っていないところにも飛んでいるため、ざっと100羽というところだろう。
カラスは、その賢さから怖がられるが、実際には、賢いゆえに、そう簡単に襲われることはない。
しかし、さすがにこの数には、少々びびった。
いつもの数羽であれば、万が一格闘することになっても、なんとかなるかもしれないと思っていたが、この数を相手にすることになったら・・・
きっと、僕は見るも無残な姿になってしまうだろう。
ただ、カラスは賢いので、こちらから何か仕掛けなければ大丈夫であることは安心材料の一つだ。
いやはや、まったく驚いた。
カラス同士の、年に一回の会合か何かやっていたのだろうか?
人間は、自分たちが最も賢く、文明というものは人間しか持っていないなんて思っているけど、意外と他の動物たちも、人間には見えない知性や社会、そして文化、文明が存在しているのかもしれない。
たまに、そう思うが、昨日は「きっと、そうに違いない」と思えるような出来事であった。
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