お客さんの要望は・・・聞かない。

といっても、横柄で、決めつけたことをするのではない。

写真撮影というものは、ほとんどの人が初めてか、他店であまりいい写真を手にした経験がないか?ほぼ、このどちらかのパターンである。

その場合、お客さんの口から出る要望というのは、単なる「イメージ」を言葉にしているに過ぎない。

これが、経験に基づいた意見なら、その原因となる経験を聞くことで、解決策は導き出せる。

例えば、食の好みや着る服など、今までなんども経験してきていることなどだ。

しかし、その解決策、要するに、お客さんが他店での経験をもとに、自分の想像で「きっと、こうしたらよくなるはず」と考えたことを、素直に聞いて実行したら・・・よくなることは皆無である。

人というのは、自分の経験と過去のデータ以外は、単なる「イメージ」で話すことがほとんどなのだ。

今まで、僕自身も、お客さんが話す要望を聞いたことがある。

だが、それでうまくいった試しはない。

ここでいう「うまく」とは、お客さんが満足するということだけではない。

そこで撮影する写真自体が、お客さんと僕が創り上げることのできる最大限のクオリティーを発揮することを念頭に置いている。

それは、お客さんのイメージなど、はるかに超えることだ。

「ポートレート写真」というものにおいて、表面の目に見えているものではなく、その奥にある「心」とか「魂」とかいう部分を、顔や体にまとわせていくこと自体が、メインの僕たちの仕事であって、カメラのシャッターを切るのことは、完全な姿になった状態を記録するために行うだけのことなのだ。

なので、奥の方から引き出してきて、どんな形で、魂と体を融合させていくのかというのは、ほとんどの人は知らない。

だから、口から出る要望というのは、表面的なことだけにとどまっている。

もちろん、100%聞かないのではなく、写真を使用する目的があるのだから、そうしたことは反映するが、最終的な形においては、参考程度に聞き流すくらいである。

では、どんな風にして、最高の写真を生み出して行くのか?

まずは、相手の「魂からの声に耳を傾ける」ことから始まる。

それは、口から出て来る言葉の中にもあるし、表情や仕草にも現れる、体全体からもオーラとして出ているし、持ち物からも感じることができる。

過去の経験も、魂がどこへ向かいたいかを知る参考にもなる。

だから、撮影に入る前に、多くのことを話してもらったりする。

時には、撮影前に、30分近く雑談をしてから取り掛かることも少なくはないのだ。

そして、イメージする。

相手のイメージは、何もないところからのイメージだが、僕のイメージは、多くの人たちの経験の蓄積をもとにしたイメージだ。

「十人十色といって、全ての人は違っているのだから、他の人の経験など当てはまらないのではないか?」と思うかもしれない。

もちろん、完全に同じ人はいない。

しかし、人の分類というのは、僕は、4パターンごとに分けて分類していく。

まず、最初の4パターンのどれに当てはまる人なのか?

それが決まったら、次も4パターン、そして次のパターン、次のパターン・・・と。

例えば、明るさのパターン「明るい・暗い・その間の2つ」、笑顔のパターン「とても笑顔・真剣顔・その間の2つ」など、いくつものパターンに対して、どんどん分類していくのだ。

どうやって分類していくのかは、その人の魂に耳を傾ければ、わかって来る。

なので、心を固く閉ざしている人のことはわからない。

一般的には、人の心は、開いたり閉じたりしているので、ほぼ大丈夫だが、中には、固く閉じている人がいる。

そんな場合には、撮影に入ることはできないので、撮影前に長く話しをする。

それでも、ダメな場合は、「心を閉ざしていては、僕とあなたとの共同で作り上げて行くことは無理だから、撮影は出来ません。今日のところはお帰りください」と撮影自体をお断りするのだ。

もちろん、メイクをしていたとしても、代金は一円も頂かない。

だが、女性のお客さんは、今まで100%、それで気がつくのか、「撮影を続行したい」といい、徐々にでも心を閉ざすのをやめてくれるのである。

男性の場合は、記憶では、数人しかいないが、全員、後日、心をオープンにして撮影に臨んでくれている。

人間というものは、五感だけで感じるのではなく、心の部分、それを第六感というのかわからないが、表面的ではない部分によって、繋がることができるのである。

こちらが、心を「全開」にして、真剣に相手に向き合わなければ、心のコミュニケーションは難しいが、オープンハートで接していれば、必ず、応えてくれるものなのだ。

そうして、お客さんとの心の対話を始めれば、本当にすべきことが自然とわかって来るものである。

そうなれば、口から出る、単なるイメージに気をとられる必要はなく、その言葉のもっとずっと奥から聞こえて来る声に耳を傾けることができるのだ。


via Mark な 人生



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