玄関前といえば、やっぱり定番は犬だ。
玄関の前に、ヤギが居座っている家など見たことがない。
しかし、うちの玄関前にいるのは、ヤギである。
ヤギは、どこか犬に似ている。
犬のように、チョコチョコと主人の後についてくる。
ただ、犬と違うのは、主人の後についていくだけではなく、集団に付いて行くという習性があることだ。
犬は、元はオオカミであるから、捕食する側。
一方、ヤギは、捕食される側である。
この違いは大きい。
犬が主人について行くのは、獲物を求め、人間とともに獲物を捕らえるために行動する。
かたや、ヤギが主人について行くのは、人間の力を使って、自分を守るためだ。
なので、玄関前に居座る理由も違う。
犬は、主人を守るためにそこに居るのだろうが、ヤギは、主人に守られるためにそこに居座るのだ。
よって、敵が来たら、犬は立ち向かい、ヤギは一目散に逃げるというわけである。
犬とヤギを比べて見たら、猫とヤギも比べてみたくなってきた。
まず、猫は、犬同様に捕食者である。
とはいえ、猫の場合は、ネズミや鳥などの小さめの獲物だけど。
猫も玄関に居座るが、猫の場合、主人と一緒にいるためにそこにいるわけではなく、自分が快適な場所にいるだけだろう。
で、敵が来たらどうするか?
これも、主人とは関係なく、自分にとって戦うべきか、逃げるべきかを選択するだけだ。
とはいえ、主人のことをおざなりにしているわけではないが、まずは、自分Firstであることは間違いない。
僕としては、この自分Firstの考え方は嫌いじゃない。
僕自身も、“超”自己中心的である。
ヤギはというと、猫同様に、基本、自己中である。
自分が守られるために主人と行動を共にするが、安全な場所にいるとわかっていると、うまいもので釣らない限りは、そうそうベタベタしてこないのである。
ってことで、玄関前にヤギが居座っている。
風が吹くと、ヤギのラムっぽい香りがふらりと香る。
・・・ジンギスカ〜ン