土地の値段。
バブルの時は、凄かった!とよく聞く。
土地の値段は、売る人が決めて、買う人がいれば、その価格が土地の値段ってのが、普通の考え方だ。
そして、その周りの人たちも、同じくらいの価格で売り出して、売れれば、そこも、その値段なのだ。
そうやって、高く値をつけても売れていくと、バブルってことになる。
では、売れなかったら、売り手は価格を下げる。下げても売れなかったら、もっと下げる。そして、売れた価格が、その土地の値段だ。
ちなみに、僕が住んでいた、千代田区九段南あたりの坪単価は、250万円程度だった。
会社があった、港区北青山は、安いところで、坪400万円くらい。
100坪で4億円である。・・・買えんな。
一般的な住宅街では、坪15万円〜50万円くらいだろうか?
住宅の区画は、50坪程度なので、750万円〜2500万円くらいだろうか?
どうやって、こうした価格が決まるのだろう?
僕が思うには、都心部や住宅街など、周りの価格がある程度算出されている場合は、上記に示した通りだと思っている。
ただし、新興住宅地などは、その土地に見合った価格を売り手が提示しているとは思えない。
買い手が買いやすい価格を設定しているだけだと思っているのだ。
一般的な、平均世帯収入から換算して、35年ローンを組んだ時に、月々の返済が滞りなく、無理なく支払うことができる価格を算出して、買い手が手を出しやすい価格を設定している。と思っている。
既存の商品やサービスがあり、それに類似しているのなら、価格は、類似品(サービス)を元に算出できる。
しかし、新しい商品やサービス、新興住宅地なども、価格の決定は、通常、仕入れ+費用+ある程度の利益=価格で算出されるのが望ましいが、世の中、そうではないようなのだ。
僕が、山を買うために、全国津々浦々とは言わないが、いろんなところへ行き、様々な土地を観て回った結果思ったこと。
それは、ちょっとしたことで、価格に大きな差が出るということだった。
最も面白かったエピソードを話そう。
それは、整地すれば、土地の価格は10倍〜100倍になるってことだ。
山は、基本的に斜面である。
そこへ至る道も整備されていない。
だが、道を作って、地面を平らにすると、それまでの価格の10倍〜100倍になるという魔法のような手法を、多くのデベロッパーがやっていた。
不動産業・・・儲かるはずだ。と感心したものだ。
ちなみに、10倍〜100倍の違いは、街に近いとか、駅に近いとか、そんな条件もあるが、面白いものだなと思ったのが地目と言われるもの。
それまで「山林」だった地目を、「宅地」に変更するだけで、価格をドドーンと上げられる。
と言っても、もちろん買う人がいなければ成立しないのだが、それでも、山林のまま売るよりは、宅地に変更してしまった方が、家を建てようとする人には高値で売れるのだ。
では、山って、いったいいくらくらいなのか?
僕が、探し始めて、ネットでいろいろと検索すると、土地の広さによって単価が違っていた。
ちなみに、東京、神奈川、千葉(主に房総半島)、茨城(筑波山周辺)、群馬、山梨(富士山周辺と東京寄り)、長野(軽井沢周辺)あたりは、全く買えるような価格ではなかったことを付け加えておきたい。
それを踏まえて、探してみると、まず、30万坪超の場合は、坪100円が相場だった。でも、価格は3000万円になってしまう。到底、無理である。
10万坪超だと200円程度、5万坪超で300円程度、1万坪で500円程度というあたりが相場だったのだ。
住宅地に比べれば、破格の安さであるが、当然、土地は広いのでまとまったお金は必要だし、もちろん住宅ローンは組めるはずもない。
山の価格設定に関しても、買い手がどの程度支払えるのか?ということを考えられて、価格決定されているようにも思えるのだ。
僕が探したのは、1万坪で500万円
ネットで、いろいろと検索したり、人のブログを読んだりしていると、多くの人たちが、500万円程度の予算で探していることがわかった。
ってことは、そのラインは、競争が激しい(と、言ってもたかがしれているが)のだろう。
山の所有者は、持っていても「無価値」と感じている人が多い。
だから、売りたい人は多いようなのだが、なかなか売れないらしい。
一方、探している人たちは、意外にもたくさんいる。(ほとんどが都会の人)
売りたい人と買いたい人が、なかなかマッチしないのだ。
実際、僕も探すのには、非常に苦労した。
ネットが主な頼りなのだが、ネットだけでは、どうにも物件が少なすぎるし、僕が求めるような開拓されていないような山は、林業従事者が、杉や檜を得るために買うのが一般的らしく、僕のような「山に住みたーい!」という都会人は、相手にしてくれないのだ。
なので、房総半島や筑波山周辺などへは、車で山へ行って、走りながら「売地」の看板を探すってこともやってみたり、現地の人を見つけて、売っている山がないか聞いたりして探すこともしてみたのだ。
その結果は、上記の通り、関東周辺は、価格的に全く相手にされなかったのだ。
では、なぜ、山の売り手と買い手をマッチする仕組みが確立していないのだろう?と考えた。
まず第一に、価格が安すぎるために、手数料商売にならない。
さらに、土地の境界線がはっきりしていない。
現地への案内が遠すぎる。
山のことがわかっていない都会の人たちが買うので、あとが面倒。
などなどだろう。
僕も、山を探していて、「おいしい商売ではないな」と実感したものなのだ。
商売とするならば、道を作って、整地して、住宅地にして売り出す以外には、ないだろうな。
でも、もしも、それをするのなら・・・不動産業もいいだろうなぁ。とも、うっすらと思うのであった。
つづく
<山を探していた時の一コマ。木を切って道を作って整地すれば・・・>
-----