ツルとトゲとゴミ

雲が流れている。

北西の風だ。

雲が流れていると書いておいて、写真では表現できないと思い、動画も撮ってみたのだが、秋晴れの青い空に、ゆったりと流れる白い雲の映像に、救急車のサイレンが入っていたので却下した。

このところ、毎日のように救急車のサイレンが聞こえる。寒いもんなぁ。

今日は、昨日に引き続き、建築予定地西側斜面に、にょきにょきと生えている杉の伐採。

それにしても、なかなか伐採が進まないのだ。

なぜか?

その、最もたる原因がコイツら。

見えますかぁ?

木に絡まりついている「ツタ」

すげー絡んでます。

どの木にも。

もう、グッチャグチャなのです。

ツタの根元を切っても、上の方で絡みまくっています。

1本の木に絡んでいるだけならいいのですが、何本もの木に、同じツタが絡んでいて、もう大変。

木を切っても、ツタが絡んでいるので、全然倒れない。

なので、別の木に登って、ツタを切ったり、枝を切ったりしないといけない。

どうしようもない場合は、絡んでいる木を何本も倒していかないといけなかったりして、まあ、もう危険極まりないのです。

新潟に山を見に行った時に、遠くに、藤が満開に咲き誇っていました。

遠目に見ると、とても綺麗なのですが、おっちゃんが「藤が綺麗な山は、手入れしていない山なんだよ」と思えてくれたのですが、まさに、今、そのことを超実感!

<新潟にて。藤がとても綺麗だったよ。けど、絡まれている木は辛いだろうな>

そして、ガツガツを山に入っていくと、行く手を阻む最大の野郎は、ツタですが、もう一つ、行く手を阻むというか、攻撃?してくる奴らがコイツら。

トゲトゲロックじゃ!

容赦なく刺してくるというか、こやつらは動かないのだけど、僕が刺さりに行くわけなのです。

今は寒い時期なので、トゲが刺さっても服に刺さるだけですが、それでも、もう、刺さりまくりで大変です。

トゲトゲを見つけると「トゲトゲロック」と歌いながら切り刻むのです。(ホネホネロックの替歌で)

実は、この写真のトゲトゲロック。

ネットで検索したら、タラの木だって。

そう、あの春先に美味しいタラの芽の元。

Oh My God!

切っちまったぜ。

わかっていれば、トゲトゲロックだと言っても、そのままそおっとしておいたのに。残念!

でも、タラの木は生命力が強いらしく、ニョキニョキ生えてくるんだってさ。

そして、厄介じゃないけど、最も、僕のテンションを下げるもの。

それが、コイツら。

ゴミじゃ!

空き缶とかペットボトルとか、弁当の容器とかならわかるけど、なぜか、蛍光灯とか傘とかもある。

こりゃ、悪質っていうか、なんで?って感じ。

でも、山って、不法投棄されるのは、日常茶飯事らしいのです。

以前も、役場の人が上がってきて、下の方で不法投棄があって・・・と話してくれたのですが、その時に、「すぐ下もゴミだらけなんですよ」と僕が言うと、「どうしても、山は、そうなんです」と残念そうに答えてくれました。

それが、日本の山の現状なんです!(らしい。たぶん。きっと。)

結局は、何が根本的な原因かといえば、「山の木を切らなくなったこと」なんですよね。

材料として、燃料として、木を使っている時は、山は手入れされていたのだけど、材料としては、木を切って使うのではなく、「買う」ようになった。

それも、木材の多くは、外国産。その方が安いのだ。

燃料としては、化石燃料(天然ガスと石油)に変わった。その間に、石炭があったかもしれない。

そうなって、木は必要なくなってしまったのだ。

それならそれで、自然に帰ればいいんだけど、困ったことに、日本中の山が、杉や檜の人工林。

ほったらかせば、ただ、ひょろひょろと伸びていくだけの木。

上の方で葉を密集させてしまうため、地表に光が届かない。

そして、草も生えない、他の木も育たない、そうなると、虫もいなくなり、動物もいない。

動物は、食べ物を求めて、山の麓の畑へ。

虫がいないし、川に光も入らないので苔も生えず、魚は育たない。

上流の栄養素が川を下って海へいかなくなり、浅瀬の魚介類は育たない。

そうなると、大きな魚も餌がない。

海の魚も減っていく。

山では、雨が降り、草のない山の土が流れ、そして土砂崩れが起きる。

木を切って山を崩してダムを作る。

魚は、遡上できない。

でも、優先されるのは、魚のことよりも、電気のことだ。

ダムで、山が壊れる。でも、電気ができる。

原発で、電気ができるけど、街が壊れる。

そして、いずれ人も壊れる。

今、山は危機です。

戦後の、大植林をした時は、よかったが、今、それが、お荷物になってしまった。

それどころか、人間お営みさえも破壊しようとしている。

さらに、花粉症。それは、まあいいか。

まあ、そういうことです。


via Mark な 人生



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