愛犬のしつけ教室へ行ってきた

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FAN(犬)をもらってきてから、ちょうど2週間目の昨日。
動物愛護センターへ、愛犬のしつけ教室に行ってきた。

FANにとって、最低でも1ヶ月以上過ごした場所。
行けば、きっとその時のことを思い出すだろうと思っていた。
一体、どういう反応をするのか?少し心配だった。

その前に
車に乗せると、用意したダンボールの中に飛び込んで丸くなった。
出発しても暴れたりすることは一切なかったのだが、FANの心拍数がやばいくらいに早い。
極限状態の緊張なんだろう。

僕も2週間ぶりにカレヤン(Porsche911)に乗ったのだが、エンジンをかけると、

ドルゥン、ドッドッドッドッド

聞きなれたエンジンサウンドのはずなのに、ビクビクして丸くなっているFANを乗せている事を思ったら「カレヤンのエンジンってこんなにうるさくて、これほど振動あったっけ?」と思った。

さらに、走り出すと、やっぱりサスペンションの硬さを感じる。
助手席の足元で全身をビクつかせているFANを見ていると、気の毒で仕方がないほどだった。
まあ、FANのビクつきは、決してカレヤンのせいではなく、どんな車でも同じだろうけど。

しつけ方教室の開始時間は、午後2時。
一応、朝から、この為に気持ちを準備していたので、午前10時にはやることがなくなってしまった。結局、センターへ行ってからのんびりすることにして、12時過ぎには着いた。

2週間前、FANを車に乗せた同じ場所に駐車してFANを降ろし、センター内をうろついてみることにした。
覚えているのか、いないのか、特に極端な反応はなく、いろんな場所を歩き回っている。

ただ一ヶ所、子犬とのふれあい広場みたいなところがあって、枠で囲われた中に子犬がいる場所があったのだが、そこに、異常なほど反応していた。
その中にいた犬に反応しているのか、その場所に反応しているのかはわからないが、もしかして、ここに居たのか?と思わせる出来事だった。

そのうち、他の参加者のみなさんが来始めた。
ほとんどの方は、2週間前の同じ日に、子犬を連れて帰った方々だから、犬同士は知った顔らしく、犬に会うたびにじゃれあっていた。
他の方も言っていたが「こんなに元気なとこ、初めて見た」と。
こうした光景がいつか、里親家族の中で、そして、僕とOPERAとFANの間にも築かれる事を祈っていた。

しつけ方教室では、他の犬に比べてFANは、とても大人しくいい子に見えた。
他の犬は遊びたくしてうろついたり、別の子にちょっかい出しに行ったり、リードをグイグイ引っ張ったり、いかにも子犬らしい行動だったが、FANは、じっとして講師の方を向いて話を聞いていた。
「やはり、思った通り知能が高そうだな」そう思わせるような態度だった。

楽しい時間が終わり、帰路に着いたが、帰りの車中も相変わらず、全身をバクバクさせて、今にも心臓が爆発しそうなほど怯えながら帰ってきた。

そして、夜、事件は起こった。

僕も、さすがに疲れた。
夕食を食べて1時間もすると、かなりの眠気が襲ってきて、夜8時にベッドに入った。
そして、夜中の0時過ぎ、FANがゴトゴトとやっている音で目が覚めた。
カメラの映像を見ると、頻繁に小屋に入ったり出たりを繰り返している。
「まあ、いつものことだろう」と思った瞬間、カメラの視覚から消えた。

首輪とハーネスが邪魔そうだからと、夜には外していた。それでも、どこかに行ってしまうことはなかったので安心していたのだが、今日、センターに行ったことで、センターが恋しくなったのか、みんなに会えたことが恋しくなったのか、

脱走してしまったのだ!

近くに潜んでいるか?と、思って探したがいない。
そのうち帰ってくるだろうと、再度、ベッドに入って電気を消して、1時間ほど待ったが戻ってこなかった。
もう一度、外に出て、どこかの隙間に隠れているんじゃないかと思って探したのだがいなかった。

「もう、帰ってこないのだろうか?」

それなら、それで、もう、どうしようない。
明日も戻ってこなかったらセンターに連絡しようと決めた。

それはさておき、午前2時の空は、星の輝きがすごかった。
今まで、こんなに多くの星を見たのは初めてかもしれない。
なんで、今夜は、こんなに星が見えるのだろう?と不思議だったが、考えてもわかるはずもなく、FANそっちのけで星を見上げていた。

小屋の電気を消し、ライトも消して、フラフラと歩き始めた。
FANは、センターに行きたいだろうが、センターにたどり着くためには、大きい国道を横切ったり、松山市街を通らなければならない。
いくらFANが用心深く、賢くても、たどり着くのはかなり厳しいだろう。
その前に、イノシシに喧嘩を売られるか、罠に掛かるか、運が良ければ保護されるか・・・

そんな事を思いながら歩いていると

居た!

狐のような長い尻尾を振って飛び跳ねている。
ライトをつけると、ササッと逃げてしまった。
ゆっくりと近づいてみる。
居ない。

しかし、辺りを見回していると、僕のことを認識してくれたのか、出てきた。
無理に捕まえようとすれば、逃げてしまう可能性があったので、そこにじっとして待っていると、ウロウロと僕の周りを回り、僕がしゃがむと近づいてきて座った。

ホッ!

僕は、人間社会に生きる犬の飼い主として、ルールを破ったのだ。
やはり、首輪はしておかなければならない。
結果として、逃げていってしまったわけではないが、FANも自分がどこにいるのかわからなくなってしまったようだった。
しつけをする者の第一のルールは、

“迷子にさせない”

であったのに、迷子にさせてしまった。
抱きかかえて小屋に戻し、首輪とリードをつけておいた。

FANの居ない約2時間の間、犬を飼うということについて改めて考えた。
田舎では、ほとんどの家庭で犬を飼っている。
それを思うと、家に犬がいるというのは、なんら不思議な光景ではなく、ごく普通のことだ。

僕自身も、物心ついた時には、家に犬がいたし、自分でも飼っていた。
だから、あまりにも当たり前のことに思っていたのだが、改めて「犬を飼う」を考えてみると、ヤギと比べてみると、正直、

なぜ犬を飼うのか?

ということが、あまり明確でないような気がしていた。
“愛玩動物”と言われるように、“玩具”としての用途なのか?
懐いてくれるので可愛いとか、忠実に従うからとか、そんな理由で犬を飼うのだろうか?

いったい僕は、なぜ犬を飼うのか?
もしも、このままFANが戻ってこなければ、また犬を飼おうと思うだろうか?と自分に問いてみたとき、僕の答えは「NO」だった。
特に、保護犬をもらってくることは決してないだろうと思った。
そう思ったのと同時に、FANが戻りたくなければ、それはそれで仕方がないことだと考えた。

“相手の行動に対して期待しない”ことが重要だということ

ちょうど、この出来事の数時間前に、僕は本を読んでいた。
「第十一の予言」という本だ。
この本は「聖なる予言」「聖なるヴィジョン」「第十の予言」に次ぎ、完結編となる本である。
読んでいた箇所には、「相手にエネルギーを送ること」と、その際「相手の行動に対して期待しないこと」ということを読んでいた。

相手にエネルギーを送ることは「与える」行為だが、相手の行動を期待するのは「エゴ」だからだ。
それが、相手のためだと思っても、自分から見た場合の相手のためであって、本当にその人が望むこととピッタリと合致することなどはない。
人は、常に自分のエゴによって、相手を制御しようとしてしまう。
それによって、人は“強制されている”と感じ、反発する。

FANがいない間、このことを思い出していた。
FANが戻ってくることを期待するのは、自分のエゴだ。
たとえ、それが大切なことだとしても、FANを思ってのことではない。
人間のエゴが「犬は人に飼われるべき」としているだけだ。
そして「死はよくないこと」という誤った感覚からも、人間が与えるエサを食べて長生きすべきだと考える。

だから、僕は、FANの好きにしたらいい。と考えた。
ただ、どう行動するかはFAN次第だが、とにかくFANにエネルギーを送ることにした。
生き伸びるためとか関係なく、ただエネルギーを送った。

戻りたくなければ、戻らなくていい。
ただ、戻りたいのに戻れないのなら、手助けしたい。
何かして欲しいか?何かがあるのなら、僕を導け。と念じた。

すると、ひょっこりと現れ、僕に近づき、ちょこんと座った。

番犬として

FANが戻ってきたことで、僕の中で「犬を飼う理由」が明確に確定した。
もちろん、薄々思っていたし、FANの中に、狩猟犬の血が流れていること、座ってじっとしている姿からも合っていると確信できたが、やはり、番犬として飼うことだろうと思った。

特に、イノシシやハクビシンなど、害獣と呼ばれる動物たちから、今後、育てていく作物を守る役目を担うことが最大の役割だ。
さらに、今はOPERA一匹だが、今後、増えていくであろうヤギを統率するのもFANの役目だし、ニワトリなどを飼い始めた際には、捕食動物を近づけさせないのも役割になる。

こうして明確になると、エサを作ったりあげたり、散歩に連れ出したりすることも億劫ではない。
仕事には、報酬を支払うのは当然だからだ。

そんなわけで、一日でいろんなことがあったけど、一件落着であるし、とても大事なことも経験し学んだ。
それは、FANも同じだっただろう。
一度は、一人でフラついてみたかっただろうから、やれないことによってフラストレーションが溜まっていくよりも、やってみて「迷った!ダメだこりゃ」と思ってくれれば、そのほうがよかった。

すべての出来事は、偶然ではなく、神の手の中にいることを感じた出来事だった。アーメン。

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