お帰りカレヤン

1ヵ月半ぶりにカレヤン(Porsche911)が帰ってきた。

幌の動作調整から、エンジンの調整、車検整備まで約1ヵ月半。

なかなか長い期間だった。

既にプリプリ(プリウス)に慣れていたせいか、カレヤンに乗り込んだ時は「あれっ?あれれれ・・・」と戸惑った。

座席のポジションを登録してあるので、自分のポジションに合わせようとボタンを押すと、えらく座席が前に出るのに驚いた。

最初、なんか変になったのかと思ったほどだ。

しかし、動きが止まって、ペダルを踏んでハンドルを握ってみると・・・「しっくり」

これが、正しいポジションかぁ。と実感した。

ってことは、プリプリ(プリウス)に乗っている時は、随分と後ろに下がった、本来は運転に適さないポジションで乗っていたということだ。

そこで、思い出したことがある。

カレヤンの運転席に、ゲストが座ると、決まって椅子を後ろに下げるのだ。

今まで、あまり気にしていなかったが、みんな、ドライビングポジションがかなり後ろだってこと。

実際、ほとんどの人は、本格的なスポーツカーに乗っていない。

なので、ドライビングポジションをキッチリと固める必要はないと思うが、普段の普通車のポジションのまま、こうした車に乗るのはとっても危ないんだと分かった。

多分、その状態では、ブレーキを最大限踏み込むことはできないし、ハンドルの最も遠いところには手が届かなくなってしまう。

一般的に、ブレーキを最大に踏むこともなければ、ハンドルをガッチリ握って切ることもないだろう。

それに、バケットシートの後ろ目一杯、深く腰掛けることもなかなか無い。

そうかそうか、謎が解けた。

これで、僕の足が短くないってことが分かった。

今度から、誰かが運転席に座ることがあったら、まずは、ドライビングポジションから教える必要があるのだな。

そんなわけで、シートの件は解決して、いざ、走り出した。

・・・なんか、タイヤおかしいか?

どうも、ゴツゴツする。

しばらく走っていると、それが、カレヤンの普通だってことを思い出してきた。

プリプリ(プリウス)の快適性に慣れきっていたせいで、タイヤがゴツゴツすると感じたのだが、スポーツカーってのは、こんなにも快適性が無いものなんだな。

さて、テストドライブと称し、国道33号線を右折し、山へ向かう。

と、そこで、思い出したことがある。

今日は、日曜日ではないか。

土、日は、警察が取締りを行なっている可能性が高い。

せっかくのテストドライブのワインディングだが、念のため法定速度で走る。

それでも、やっぱり、ドライビングプレジャーを存分に感じることができる。

やはり、その点は、プリプリ(プリウス)では実現できない。

今回の車検代も、やっぱりいつも通り高かった。

「本体買えても、維持できない」と言われる高級外車だが、本当にその通りである。

新車なら、そこまでの維持費はいらないのだろうけど、そうなれば「本体買えず、はいそれまでよ」という具合だろう。

かと言ってローンを組めば、ローンの支払い額は維持費以上だしね。

それでもなんでも、やっぱり、それだけの価値がある。

乗っていないときは、徐々に「もう手放そうかなぁ」と毎回思うが、

こうして、久々に乗るたびに、いつもカレヤンの素晴らしさを思うのだ。

15年ほど前に、会社のスタッフみんなで、高級フレンチレストランに行った。

その後、スタッフからこう言われるようになった。

「永田さん(僕のこと)のせいで、ワインが楽しめなくなりました。あの時飲んだワインが美味しすぎて」と。

それと、カレヤンに乗ることは似ているのかもしれない。

僕は、完全にポルシェという車の魅力に、どっぷりとはまってしまっているのだ。

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