以前、あるミュージシャンと話をしていたときの会話。
絶望的な状況下で、最後の最後に必要なものはなにか?
ということを話し合ったことがあった。
その時、彼は「自分たちに出来ることはない」と言ったのだ。
絶望的な状況下に必要なのは、
食料や水、衣食住だというのだ。
そこで、僕はこう言った。
「本当の絶望的な状況下では、すでに食料や水などは一切無い。
だから、確かに必要なものではあるが、本当に必要なのは“希望を持ち続けること”だ。
そのために必要なのは、最後の最後には音楽や歌などの芸術である」
と、主張した。
もちろん、賛否両論あると思うが、
音楽や歌というのは、最後の最後で人が生きる希望を見いだすことの出来る
最終手段だと僕は思っている。
そして、僕も写真という一種芸術の分野で仕事をしている。
写真など、なんの役にも立たないと思うこともあるが、
絶望的な状況下で、家族の写真や恋人の写真は
人に絶大な力と希望を与えるだろう。
そんな仕事に誇りを持つと共に、
人に勇気と希望を与えられる写真のすばらしさを改めて実感する。