主賓の挨拶が終わるとき、新郎新婦は、なぜ立たない?

披露宴の序盤に行われるイベントの一つに、主賓挨拶がある。
主賓というのは、この披露宴に招いた列席者の中で、おおかた一番偉い人。
主に、新郎新婦の上司とか、お世話になった人など。
その人の、ありがたいお話しがある。

挨拶の始めには、必ず、新郎新婦共に、起立して迎え、あいさつも起立して拝聴するのが本筋だが、挨拶をする側の基本として「どうぞ、ご着席ください」というセリフが定着している。
すると、新郎新婦(仲人や両親なども)は、着席をする。
と、いうことで、全員、着席して、挨拶を拝聴するわけで、ここまではいいとして、問題は、最後に起こる。

主賓の挨拶が終わるときだが、挨拶を終えても、誰も起立しない。
披露宴では、今や当たり前すぎて、誰も疑問に思わないのかも知れないが、私は、大いに疑問だった。
この披露宴で、一番偉い人のお話し、本来は、起立して拝聴するべきところ、ご配慮頂き、着席で拝聴したが、挨拶の終わりに、起立して礼を行うのが当然なのではないだろうか?と、思ったわけだ。

では、なぜ、起立しないのか?
実は、起立した方がいいのは、ほとんどの人が思っているだろうし、両親の中には、起立する方もいらっしゃる。
実は、問題は、式場側にある。
式場の人も、新郎新婦が起立した方がいいのは分かっている。

しかし・・・
起立させるタイミングが、うまく掴むことが出来ず、もたついてしまうことで、挨拶の終わりと、起立するタイミングがずれてしまい、起立した頃には、主賓が席に着いてしまうなど、非常に間抜けな事態になってしまうことを恐れて、あえて、新郎新婦を起立させないとしている。

でもなぁ。
と、思った私は、せめて、新郎だけでも起立してもらうことにした。

主賓に「どうぞ、ご着席ください」と言われて着席するとき、式場の人は、ご丁寧に椅子の位置を調整してくれるのだが、これが、素早く起立できない原因を作ってしまっている。
どうせ、挨拶の終わりには立たないのだから、がっつり座っちゃえばよいという考えから生まれ、今では、式場の連中は、何の疑問も持たず、むしろ、「私たち丁寧でしょ、ふん」くらいの気持でやっている行為だと思うが、これをやられてしまうと、新郎新婦も、仲人も、ご両親も、素早く立つことが出来ず、起立して礼を行おうとする事へ、邪魔をしていることになる。

よって、せめて新郎だけでも起立して礼をしたいので、新郎はあらかじめ、披露宴の時に椅子の後ろに着く、キャプテンに、「挨拶の時、着席する際に、いすを前に出さないで、浅く座れるようにしてください」と頼んでおく。

主賓の挨拶を聞いていて、いよいよ終わりがちかずいてきたな・・・と、分かればいいのだが、以外と分かりにくい人も多く、挨拶の終わりと立ち上がるタイミングが取りづらいので、注意して聞いている必要がある。
さらに、挨拶をしている場所から、主賓の席まで近い。(一番偉い主賓の席は、ほとんどの場合、真ん中の一番前)なので、挨拶を終え、新郎の前を通り過ぎる前に立っていなくてはならないし、主賓によっては、挨拶が終わった瞬間に、すぐに席に着こうとしてしまう人もいる。
偉い人なのだから、ゆっくりと原稿を折りたたみ、胸ポケットにしまい、列席者に一礼をしてから、堂々とゆっくりと歩き、新郎新婦に軽く会釈をして席に向かってもらえれば、新郎もイイ感じで起立して、主賓に礼を行えるというものなのだけど。

まあ、主賓の行動は指図も予測も出来ないわけなので、挨拶が終わったら、素早く立ち、主賓に一礼するということをやってみて欲しいと思う。

全員が着席している中で、素早く一人だけ立ち(両親や仲人さんも立つ場合もある)、美しく一礼をすると、かなりかっこいいのである。
これは、会場が大きく、ひな壇が高いと非常に栄えていい感じになる。
ぜひ、やってもらいたい。

きっと、披露宴会場に列席している方々も、たったこれだけのことで「彼(新郎)の出世は間違いないな」と確信するだろう。

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