ここに来て、早三年が過ぎた。
山に来た大きな理由の一つが、自分で木を切り、家を建てること。
しかし、本宅は、ちっともさっぱりやっていない。
ガレージも、一年半の間、ちっとも進んでいない。
そんなわけで、もう、仮住まいとは言えないほど長く、7.5畳の小屋に住み続けている。
仮住まいという予定だったため、必要なものは作ったり、直したり、追加したりとやってきたのだが、意外と多く利用する割には、手をつけなかったのが屋外用のテーブルだ。
それは、当初、屋根がなかったため、屋外で食事をしたりすることを想定していなかった。
しばらくして、タープを張って雨と日除けにするようになった。
その頃から、テーブルをなんとかしようと考えてはいたのだが、結局、雨に濡れてボロボロになってしまうのがオチだと思い、テーブル作りに着手してこなかったのだ。
しかし、先日、羽田市場で買った、特大ボタンエビを食べようということになり、山友(やまとも)二人が来る日の朝、ふと思い立った。
「特大ボタンエビを食べるのに、テーブルが必要じゃないか!?」と
今までも、なんだかんだ、小さいテーブルで凌いできたが、料理には、食器やカトラリーが重要だということは、ずっと前に気がついていたし、環境もとても大事だということは、言わずもがな。
そして、テーブルだって重要だろうと、この日の朝に気がついたのだった。
時間は、朝8時。
二人が来るのは10時。
「間に合うな」
ってことで、材料を買いに走った。
9時半に戻り、早速、作業開始。
10時すぎに二人が来たが、OPERAとFANを連れて、散歩に行ってもらい、その間に、テーブルを仕上げた。
製作時間2時間で完成。
ちょうどいいタイミングで、二人と二匹も散歩から戻った。
いつもそうなのだが、行動する前は、もっと難しく手間がかかるものだと考えてしまう。
これは、今まで経験したことがないことをやろうとする際、今までの経験に基づいて考えてしまうのだが、実際、経験のないことを、イメージしようとすること自体に無理がある。
どんなにイメージしても、大概は、現実にやることと違っているし、そこに発生するトラブルも、予想だにしないことが必ず起こる。
結局、経験のないことをとやかく考えても、ほとんどが無意味だということが、歳を取ると、それこそ経験則として分かってくる。
結局、三年間手をつけなかった屋外用テーブルは、朝、材料を買いに行き、その日のランチに間に合ってしまうほど簡単に作れてしまった。
なんだかんだ考えているよりも、やり始めてしまえば、とても簡単なことだったのだ。
もちろん、これまでの三年間に、なんの材料を買えばいいか?どういう作りにすればいいか?などは分かっていたし、丸ノコやインパクトドライバーなどにも慣れていることは、時間も手間もかからなかった要因であることは間違いない。
人生はGAMEだ。しかし、GAMEは人生ではない。
小学生の頃、ドラクエにハマった。
周りがパソコンなど持っていない頃にパソコンを買い、PC GAMEも散々やった。
大人になってから、やってみようと思い立ち、プレステを買い、ソフトを買い、いろんなオプションを揃えて、いざやり始めた。
しかし、
数時間で飽きた
理由は、現実の【人生GAME】の方がよっぽど面白かったからだ。
車のGAME「グランツーリスモ」をやってみたが、すでに、カレヤン(Porsche911)でサーキットを走っていたので、実際の車を走らせた方が、遥かに楽しいのは言うまでもなかった。
ドラクエなどのロールプレイングゲームは、僕が経験している現実世界の方が、よっぽどスリリングだった。
今では、突然現れる敵は、現実には、虫や獣が僕の前には現れる。
もちろん、魔法なんかは使えないし、とんでもない剣もない。
それでも、現実のハエタタキの方が、よっぽど面白い。
そして、桃太郎よろしく、キジの代わりに烏骨鶏(食べちゃったけど)、猿の代わりにヤギ、犬は犬(なつかないけど)と共に、愛媛の山と言うアドベンチャーワールドで生きているのである。
もちろん、現実には叶わないような世界がGAMEやドラマ、映画には描き出されているから、それはそれでいい。
しかし、昔で言うところの「シムシティ」などの街を作っていくGAMEや、何かを育てるGAMEなど、実際、現実でも可能なことがGAMEになっていて、まったく現実離れしていることよりも人気があったりするようだ。
これは、多くの人たちが、現実から目を背けてしまって、GAMEの中に逃げ込んでいることを象徴してしまっていないだろうか?
子供であれば、現実に実現できないことは多く、GAMEや漫画で憧れ、それを、大人になっていくに従って現実化していく。
そのために、GAMEや漫画、ドラマや映画は、とても役に立つ。
僕も、キャプテン翼に憧れてサッカー少年団に入団した口である。
だが、大人の多くは「それは出来ない」と勝手に考えて、現実に行動しない。
実際には、やってみれば、意外とできることはたくさんあるし、僕の経験では、「やろう!」と思ったことのほとんどは実現可能なのである。
肝心のボタンエビの味は?
刺身には、やはり、生わさびが欲しいってことで、生わさびを買ってきてもらい、三人でボタンエビをひたすら食べた。
お味は、
絶品!
うまかった〜。
サンマは、生の方がうまいし、冷凍牡蠣も加熱処理が必要なものではなく、生でもいけるものでないと、やはり牡蠣の旨味は味わえない。
やっぱ、海鮮は生がいい。
今回のボタンエビは、10分程度流水で流せば解凍でき、急速冷凍によって捕れ立ての美味しさを味わうことができたので最高だった。
大きさも、今まで寿司屋で頂いたことがあるものよりも大きく、口いっぱいにボタンエビの甘さが広がった。