昨日、動物愛護センター(要は保健所)から、子犬をもらってきた。
犬種は、THE雑種
どんな顔つきになっていくのか?どんな体型になっていくのか?どれほど大きくなるのか?まったく不明という、お楽しみ福袋みたいな感じ。
昨日、里親を募っていたのは、17頭。
里親希望として参加していたのは、およそ9組。
預けるのは、1組1頭なので、8頭は里親が見つからないまま、センターに残ることになる。
しかし、実際に昨日、犬を連れて帰ったのは、たった5組だった。
月1回やっているとのことなのだが、先月など、1組だけだったそうだ。
今回の17頭のうち、生後6ヶ月が1頭、5ヶ月が1頭、残りは、4ヶ月と3ヶ月だった。
6ヶ月や5ヶ月が少ないのは、はっきりと聞いたわけではないが、成長してしまうと里子に出られる確率が、極端に低下するようで、結果的には、殺処分ということになってしまうようだ。
愛媛県で、殺処分される犬の数は、年間約2,500頭。
平日が年間250日なので、毎日10頭ほど、月に200頭以上の犬が殺処分となってしまっている。
そうした中で、里子に行けるのは、ほんの一握り。
先に書いたように、200頭が処分されているかたわら、今月なら5頭だけが生き残ることができたのだ。
そして、そんな5頭のうちの1頭が、うちにやって来た。
犬など、選びようがなかったので、犬の方が僕を選ぶように意識を集中して見て回った。
参加している皆さんは、やはり、生後3ヶ月の小さな子犬の方へ集中していた。
生後5ヶ月、6ヶ月の犬など、誰も見向きもしない。
僕はというと、カレヤン(Porsche911)で行ったので、どうしても、大きな犬は持ち帰れないという事情があった。
しかし、犬たちが入れらえているゲージを見ると、僕が持っていた段ボールばこと大きさは大差なかった。
僕からしたら、それだけ、小さすぎるほどのゲージに入れられていたのだ。
ぐるりと、すべての犬を見て回る。
まず、基準は、僕と目を合わせるか?を見てみる。
すると、じっと見つめてくる犬が2頭いた。
第1候補と第2候補を書くようになっていたので、その2頭の番号を書いた。
そして、第1候補の犬を連れて帰って来たのだが、気持ち的に厳しかったのは、第2候補の犬は、貰い手がなかったことだ。
まだ来月も里子候補として残れるとは思うが、1ヶ月経過すると、先にも書いたように、選ばれる可能性は極端に落ちる。
今回、僕が連れて来たのは、生後4ヶ月だが、他の生後4ヶ月の犬は、一匹も引き取られることはなかったのだ。
僕が連れて来たのは、3姉妹だったが、残りの2匹の運命は、殺処分である可能性は極めて高いのは、穏やかな気持ちでいられないものである。
さて、連れて帰る途中に名前を考えた。
生後4ヶ月も経っているのに、名無しというかわいそうな状況だったのだ。
まずは、うちにはOPERAがいるので、由来を映画から取ることを考えた。
なんの映画がいいか?
OPERAは、オペラ座の怪人だから・・・と思っていたら、ふっと浮かんできたのが
FANTOM(ファントム)
オペラ座の怪人と呼ばれる奇人変人そして天才的音楽家のファントムである。
そう聞くと、オスだろうと思われるが、これが実はメス。
僕は今まで、メスのシーズーに「サクセス」という名をつけ、スタジオで飼っていた猫は「ジェニファー」しかし、オスであった。
オスには女性名を、メスには男性名をつけて来たので、今回もメスに男性名をつけるのがいいと思ったのである。
そうは言っても、呼ぶときは「ファン」なので、問題なし。
サクセスもさくちゃんだったし、ジェニファーもジェニーだったのだ。
さて、このFAN(ファン)だが、ひどく怯えている。
きっと、センターにいる間、何百匹も殺処分になっていく犬たちを見ていたせいなのだろうと僕は思う。
ゲージに入っているときはおとなしいのだが、ゲージから出そうものなら、暴れまくって逃げようとする。
殺処分になっていく犬たちは、ゲージから出され死んでいったのだろう。
ゲージから出る=死ぬ
ということが、深く刻まれているのではないかと思う。
24時間が経ち、抱っこして外に出ることができたが、地面に下ろすと、すかさず物陰に身を潜めに走る。
やっぱり、まだまだ、恐怖は染み付いているのだろうから、そう簡単には拭い去れないのだろう。
昨夜もそうだったが、夜になると餌を食べ始める。
きっと、夜は、殺処分がないから、穏やかに過ごせていたのだろうと思う。
これで、人間1人に、ヤギ1匹、犬1匹となった。
OPERAも友達が出来ていいかなー?と、思ったけど、とりあえず、まだ警戒中。
どうやら嫉妬しているのか、遠慮しているのか?
普段と、行動が違って変なのだ。
いつもなら、OPERAをOPERA HOUSEまで帰らせるのだが、今夜は、僕の住む小屋のテラスで寝ることを許可した。
うんこ、おしっこが心配なのだが、もう、その時は、その時で。
そばにFANだけを残して、OPERAを遠ざけてしまうのは、OPERAの嫉妬を強くしてしまい、いいことではないと判断したのだ。
OPERAがうちに来た時も、ヤギ小屋を作ったり、ウンチの処理をしたり、電気柵を設置したり、いろんな問題が出て、解決しようとするが出来ず、結局は諦めたり、対策を考えたり、いろんなことをやって来た。
今回も、子犬なので、そこまで苦労はないだろうと思ったのだが、こんなにも怯えるとは予想外であった。
FANとすれば、完全なトラウマである。
今後、そんなトラウマが吹き飛ぶように、生きる喜びを感じてもらわなければならないと強く思っている今日このころである。