MOUNTAIN LIFE:山暮らし
山暮らし
山暮らし
山を降りたところにある梅の木が、花を咲かせていた。梅の花は2月という、最も冷える時期に咲く。ただ、それは、もう直ぐ春が来ることの証。 『夜明け前が最も暗い』 というが、冬の寒さも、この2月、春がもうそこまで来ている頃が、最も寒い。このところ、最低気温が0度程度、天気予報でも、まだしばらくは、このくらいの気温が続く見込みらしい。 人生の岐路に立つときも、同じことが言える。困難を乗り越えることができる寸前が最も辛く、「もうダメかもしれない、、、限界だ」と感じる。その頃が、突破できるほんの少し前であり、兆しでも ...
水曜日は、満月だった。本来であれば、9月の満月の日が十五夜らしいが、今年は、10月の満月の日にお月見会をやった。お月見会は、誰でも来てもらえるけど、あえて告知はしていない。 お月見会の主催は、いつもの山友たちで「ブログでお月見会告知しないんですかぁ」と言われていたが、人が多くなればなるほど、大変すぎて楽しめなくなるから、少ない人数で何度も重ねながら、徐々に来てくれる人が多くなった方がいいのだ。そうすれば、いつも来てくれるような人たちは、助っ人に回ってくれる人が出てくるから、徐々に増えていっても負担が増加し ...
カッパを買った。そんなことを話題にしてどうする?という感じなのだが、書きたくなった事柄があったのだ。 カッパと言っても、単なるビニールではなく、登山用のゴアテックスである。今まで持っていたものは、もうずいぶん前に、富士登山用に買った、軽量タイプのゴアテックス。ペラペラなのだが、使うタイミングはほとんどなく、ほぼ、ウインドブレーカーとしての用途として買ったのだ。 風を防ぐことができればよかったので、ペラペラでも問題なし。ただ、単なるビニールでは、汗をかいてしまうので、そこはやっぱりゴアテックスである必要があ ...
変なジンクスみたいだけど、なぜか、いつもこうなる。雨が降る範囲は、広範囲なのだから、一人の行動によって雨が降るなんてことはない。ただ、なんとなく、予想できることとして、日照りが何日も続いてくると、多くの人たちが「雨が降らんなぁ、、、ボチボチ、水を撒いておかないと枯れるかな?」と、思うタイミングで、同じように水を撒く。 その反面、天気の方は、何日も日照りが続いたが、ボチボチ雨が降るような空模様になってきていることは確かだった。そこで、雨を待ちきれず水を撒いてしまう人間のタイミングと、雲が重くなってきて雨が降 ...
山道の整備のため、セブン(7トンユンボ)で山に入ってから、結構な日数が経った。西日本豪雨で崩れ落ち、幅が軽自動車がやっと通れる程度しか残っていなかった道を、山側をギリギリに削って、幅2230mmの車幅のあるセブンで通れるようにしてから、山に入った。 第一関門は、第一のカーブだった。どのカーブもそうなのだが、回転するにはかなりきついRで、カーブを抜けた先が急勾配という悪条件だったため、以前、4WDの軽トラでチャレンジした際、この第一カーブで断念した。そこで、Rを大きく取り、急勾配の坂を勢いよく登って行けるよ ...
うちの山には、栗の木がたくさんある。しかし、そのどれもが山栗というやつらしく、美味しいけども、小さすぎて食べにくい。僕も、ここにきた当初は、栗を拾って蒸したり焼いたりして食べてはみたが、労力に対して、食べることができる量があまりにも少ないことから、一度でやめた。 しかし、一本だけ大きな栗のなる木がある。たぶん、これは他の木のように自然に生えたものではなく、植えたものだと思われる。敷地の入り口から、小屋付近にかけて、いろいろなものが植えられており、その恩恵を受けているのだが、きっと、大きな実のつく栗の木も、 ...
麓から、約1.5km山を登ると、僕のいる山にたどり着く。そこからさらに200mほど上までアスファルトが続いており、その先は、未舗装ながら、敷地の頂上まで道がつけてある。この山道は、20年以上前につけられ、昔は、4WDの軽トラで登って行けたらしいが、現在は、4WDの軽トラはおろか、ジムニーでも登り切ることはできなかった。 軽トラでは、1つ目のカーブですでに曲がり切ることができず、タイヤが空転してしまい進めなかった。ジムニーでは、ここにきた二人の人にチャレンジしてもらったのだが、2世代前のジムニーでは、三つ目 ...
あわや、今住んでいる家にぶつかれば破壊されるのは確実だったし、その下には、車が。3トンの巨石を転がっていくのを止めることは、もはや、当然ながら僕の力では無理。これこそ、まさに、 運を天に任せる ということだろう思った。 作業場とガレージ の裏手の崖を削り、平地の範囲を広くしているのだが、掘っていくたびに石がゴロゴロと出現する。石は、あとで何かに使用するためにまとめて置いているのだが、いかんせん邪魔である。そのため、建物の脇や道路側に置いていたのだが、その、道路側に置いていた巨石に、ユンボのバケットが、、、 ...
8月中旬の長雨の影響で、ガレージのコンクリートに水が染み出してきてしまった。ガレージの南側は、山を削った状態になっていて、そこから水が流れてきている。コンクリートは、基本、水を通さないが、水がしみてきてしまっているということは、かなり一大事なのだろうと思った。または、裏側に流れてきた水によってコンクリート冷やされ、内側のコンクリートに空気中の水分が付着したに過ぎないかもしれないが、それでも、雨対策が必要なことには変わりがない。 そこで、まずは、ガレージに雨樋を設置。そして、ガレージ周辺に溝を掘ることにした ...
また皿を割った。ここにきて4年、皿や器、グラス、カップなど、いくつもの食器を割った。大きな原因は、キッチンが狭すぎるということ。 元々、ここで料理をすることを前提に作られていないので仕方がない。そこに、僕の様に毎日自炊する人間が住むことになれば、必然的に、物を上へ上へと積み上げていかねばならない。さらに、上に伸びた棚自体も狭いため、ぎゅうぎゅうになり、はみ出している。 シンクは、陶器でできているため、そこに落ちれば、低い位置からでも、ほぼ確実に割れる。食器を洗っているときに、ほんの少し手を滑らせるだけでも ...
昨日の朝、蛇口を開けても水が出なかった。ここにきて4年も経つというのに、いまだに水の問題に悩まされ続けている。ただ、今回は、一つの原因ははっきりしていて、一番下にある外水道のワンタッチホースが緩んでしまっていて、そこから、水が漏れていたことが原因なのだが、それだけで、一滴の水も出なくなるということは考えられなかった。 そこで、もっと重大な原因として、しばらく前に道路を拡張しようとしたときに、水道のホースを切断してしまったのだが、その際、ホースが引っ張られ、器具との接合部に緩みが生じているのではないかと疑っ ...
砥部町全域に、光ファイバー敷設という情報を入手して、砥部町役場に問い合わせたら「NTTの固定電話を敷いている世帯を対象にしています」って。今時、固定電話をそのままにしている家で、光ファイバーなんていらねーだろ!と、突っ込みたくなったが、まあ、こんな山奥には、やっぱり光ファイバーは敷いてもらえないってことで、諦めている。 しかし、ほんのちょっぴり、今よりも改善出来そうな情報が。この三年間、UQ WiMAXのギガ放題を使ってきたのだが、三日で10GB使うと、18時から速度制限がかかる。 しかし、新たな5G対応 ...
昨日の夜、ムカデに刺されたことは、前回のブログ「ポイズンリムーバーは時間との戦い」で書いた。ブログ記事では、ムカデに刺されたということだけしか伝わらないが、実は、その前後にストーリーがあるので、それをお話しようと思う。 昨日の昼間、作業をしていたのだが、なかなか思うように進まなかった。仕舞いには、枝につまずいて転んだ。この日、僕の口から出るセリフは 「クソ!」 ばかりであった。「クソ!」「クソ!」「クソ!」「クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソーーーーーー!」と文句を言い続けていた。 もちろん僕にはわかって ...
昨夜、寝ているとチクリと腕に痛みが走った。それが、単なる気のせいではないほどだったので、すぐに起きて明かりをつけた。すると、スルスルとヤツが歩いている。 ムカデである 「かぁ〜、またやられた」それも、ベッドに潜り込んできやがったのだ。 以前、手袋の中に入っていて、それに気がつかず手を入れた瞬間にグサリとやられた。その後、あまりの痛みに耐え切れないほどだった。指先をやられただけなのに、全身が動けない経験をした。 そうしたことを思い出した。まずは、何はともあれ、ポイズンリムーバーで毒を吸い出すのが先決だと思い ...
この山に初めて来た時、梅雨真っ只中の7月初旬だった。そこから、虫との格闘が始まった。今までのように、夏の厄介者である蚊はいなかったが、都会では見たことがないブヨやアブがいた。 今までは、夏でも虫除けなど使うことはなかったが、山で虫除けは必須だと思い、使ってみたのだが、効き目があるのは、ほんの一日程度という感覚だった。初日は、虫の方もなんだかわからない匂いがするのか、それまでよりも虫が近づいてくることが少ない感じを受けるのだが、二日目からは、同じ虫だろうと思うが、平気な顔して近寄ってくる。 何種類かの虫除け ...
まただ、またしても、ヤギを飼い始めてから、常につきまとうヤギのオシッコとウンコ問題。犬というのは、自分の小屋の中ではオシッコもウンチもせず、なるべく遠くでするようになっているのだが、ヤギは、自分の小屋の中で平気でやってしまう。そのくせ、オシッコやウンチの上には座りたくないらしく、自分がいたした場所を避けて座っている。 もっとやっちゃうのが、毎日食べるおいしいエサが投入されるエサ入れの中にも平気のへっちゃらでウンコを落とす。そのくせ、ウンコが入ったままのエサ入れに、どんなに美味しいエサがあっても食いつかない ...
以前、宝島社『田舎暮らしの本』に出たけど、それと同じ内容で、特別編集『山を買いたい』にも掲載された。見本誌を送ってもらって読んでみたが、なかなか、山を買うのに参考になる内容だったので、山を買いたいと思っている人にはお勧めしたい。 僕が、山を買う際に最も苦労したのが、単純に「山を売ってもらえない」ということだった。昨年のコロナ騒ぎから、田舎が注目され、それと同時に、ポツンと一軒家の人気や、有名人が山を買ったりしていることで、山も注目され始めてきた。それによって、今まで、林業業者しか相手にしていなかった、山林 ...
しばらく前から、本宅予定地の開拓を進めている。上に上がる道を整えて、斜面を切り崩し、それなりの範囲を整地したのだが、なんとなく、チマチマと同じ場所ばかりやっているのに飽きてきて、林の中を横断したくなってきた。 木々とシダの生い茂る中に突っ込んでいくのは、去年、現在の畑とヤギとニワトリ小屋のある場所を開墾した以来である。林のままだと、そこに何があるのか?地形がどうなっているのか?または何が生息しているか?など、さっぱりわからない。しかし、木を切って、草を刈ってみると、その全容が現れる。 昨年は、自分では、か ...
うまいピッツァが食べたい という思いは、昔からあったが、今の今までピザ窯を作るということはなかった。本宅が完成したら作ろうと思っていたためだ。 しかし、ずいぶん前に山友が「アースオーブンを作りたい」と言ったのを機に、まずは、住んでいる小屋の隣に屋根をかけた。アースオーブンには、屋根が必要だが、窯の上だけに屋根を作るというのがもったいないと思ったので、10坪ほどの場所全体に屋根をかけることにしたのだ。 窯は、土作りなので、寒い時期にやるのは土が冷たくて楽しくない。そこで、ボチボチ暖かくなってきたのを機に、や ...
夏が来る。山では、すでにうざい虫が飛び回っているが、これから夏に向けて、虫はどんどん増えてくる。夏といえば、蚊だが、ここには、あまり蚊がいない。ただ、年々増えてきてはいる。結局、餌となる動物がいなければ、蚊もいる意味がないので、今までいなかったのだが、僕とか犬とかヤギとかが住み出したので、餌が増えてきてしまい、そのために、蚊も増えてきているというわけなのだ。 蚊というのは、あまり飛行距離が長くない。なので、僕の住んでいる小屋から、ほんの30mほど先にある池に行くと蚊がいる。しかし、小屋までは来ないほど、距 ...
夜、19:30過ぎ。何か、ドンドン、ドンドン、と音が聞こえる。何かを叩く音なのか?何かがぶつかる?弾ける?なんなのだろう?そう思い、外に出てみると、花火が上がっていた。 しばらく前から、ゴルフ練習場の明かりを見ないようにするためにカーテンを取り付けてあるため、夜に外の様子がわからない。そのため、花火の光が見えていなかった。 ここに来て、もう直ぐ4年になるが、この山から、こんな風に花火を眺めるのは初めてだ。さすがに、花火の光に比べれば、ゴルフ練習場の光など些細なものだ。 人類は、夜の闇の中でも、光を灯し、そ ...
この辺りの古い家の壁は、焼き杉で覆われている家が多い。焼き杉とは『杉の板を焼いた物』である。名前のまんまだけど。 古い家の場合は、本当に焼いてあるのだが、現在売られている『焼き杉』は、実際には焼いてはいない。表面をバーナーで、炙ってあるだけだ。 なので、建築材料も、世のご多分に漏れず【○○風(ふう)】になってしまっている。要するに、焼き杉風なのである。 本来であれば【風】物には、ちゃんと、○○風と書いてもらいたいものだが、ほとんどの商品には書いてはいない。加工食品に関しては、ほぼすべてと言っていいほど、○ ...
冬、ほとんどの植物は延びることなくジッとしている。茎も伸ばさなければ、葉も出さない、そして、もちろん花も咲かせない。 そんな、極寒の冬でも、元気に満開の花を咲かせている木がある。それが、サザンカだ。 この山には、椿やサザンカがたくさんある。一昔前に、杉やヒノキを伐採し、出荷した後、椿油のために椿を全面に植えたらしいのだ。 それが、シャンプーの『TSUBAKI』が流行った時だったのだろうか?この辺りをよく知るじいさんによると「あれで、だいぶ儲けたらしい」と言っていた。 杉やヒノキが、外国産の木材に押されて、 ...
今年で、三回目のハクビシンとのビワ攻防戦。一年目は、わけもわからないうちに、びわの実がなくなっていった。二年目の昨年、その原因がハクビシンであることを知った。 ハクビシンは、びわの実が、まだ小さいうちから食べ始め、大きくならないうちに、すべての実を平らげてしまう。それは、びわだけでなく、スモモも柿も同じように、実が小さいうちに食べ切ってしまう。 実が小さいため、ハクビシンの腹を満たすのに、数がいる。そのため、あっという間に、何千個もあるびわの実が、ハクビシンの腹の中に収まる。 この攻防に、ようやく終止符を ...
白菜に花が咲くなんて、知らなかった。それも、アブラナ科で、菜の花が咲く。なので、大根と同じってことらしい。 へー 一般的に、自分の畑で栽培していなければ、白菜の花を見ることはない。大根の花も、人参の花も見ることはないが、自分で畑をやっていると、いろんな発見をする。 魚の実物を見たことがなく、切り身や開きで泳いでいると思っている子供がいるなんていう、冗談みたいな話を聞くことがあるが、白菜が丸く結球して終了とか、大根の葉っぱが伸びたら、あとは枯れるだけ、というようなことを思っているのも、開きで泳いでいると思っ ...
三年半経っても終わりのない水のトラブル。今回も、また。とは言っても、仕組みが分かって、しっかりとメンテを行えば、ほとんどのことは解決できることを、少しづつ学んでいるというだけではある。 今回は、またまた、水が出ないトラブル。原因は、「空気噛み」だと思われる。はっきりとしたことはつかんではないのだが、先日設置した、外キッチンに付けた水栓に原因があるのかもしれないと思っている。 付けたばかりの時は、必要な部品が揃っていなかったために、水漏れがあったが、今は、必要な部品はすべて取り付けてあり、水漏れもない。しか ...
カレンダーを見なくても、自然が教えてくれる。梅の花が咲くってことは、今が二月であることの証(あかし)である。 今日は、一本の木に、ほんの二、三輪咲いているだけだ。まさに、二月の初旬にふさわしい。 山に来て、三年半。こうした、自然の『旬』について、かなり体験してきた。 石の上にも三年 とは、本当に、よく言ったもので『三』という単位は、やはり、一つのサイクルを表しているように思える。家の建築についても、僕は、三棟目で本宅を建てるということを決めていた。そこは、やはりこの格言に基づく。 家は三回建てないと、満足 ...
松がどんどん枯れる。松山という地名が、すでに過去のものとなっている。昔は、山一面が松だったようなのだが、今では、チョビチョビとしか生えていない。しかも、そんなチョビチョビの松でさえ、どんどん枯れている。 僕が、三年半前に、この地に来た時から、もう、何本もの、松の大木が枯れていった。倒しても、倒しても、次から次へとどんどん枯れていく。 昔は、松が枯れたらすぐに倒して割って、薪にしたらしいが、電気やガスなどが普及し、国産の木材が売れなくなったことで、山は放置されていき、枯れ松を切り倒すことがなくなってしまった ...
薪ストーブの煙の抜けが悪い。以前、煙突掃除をした時もそうだった。抜けが悪い感じがして「ボチボチ煙突掃除でもするかな」と、思い。煙突掃除をすると、逆に、もっと、抜けが悪くなっていた。 なぜだ?不可解ながらも、何度か使っていると、元に戻るような感じがあったので、そのまま使い続けていた。 今回も、同じ現象。そこで、今回は、分解して掃除をしようと考えた。特に、うちの薪ストーブの煙突は、ややこしい構造になっている。 壁に出して、上に抜くのだが、ガラス張りのため、壁から出すのに天井ギリギリの部分しか出すことができない ...
ガルバとは、ガルバリウム剛板のこと。 今まで、薪棚に被せる屋根は、ブルーシートやタープを使っていたのだが、どうしても、めくれたり、破れたりする。薪棚というのは、屋根だけがあり、横は何も覆わない。当初は、とりあえず、上からビチャビチャと雨がかからなければいいのだろうという思いから、屋根を重視して考えなかった。そのため、ブルーシートを適当に切って被せたり、破れて使えなくなったタープを被せたりしていた。 あれから一年が経った。結果、初期の薪の状態も悪かったが、やはり、シートはめくれることも多く、雨の日は特に風も ...
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