CHAR(チビヤギ)が行方不明になって1週間が経った。
その間、周辺を探しても見つからず、捜索を打ち切って、とりあえず諦めることにしたのだが、頭の中から消えていくことはない。
その中で、CHARが見つかる手がかりにはならないのだが、二つの可能性が思い浮かんだ。
1つは、奈良公園の鹿の話題で、奈良公園の鹿が、公園を出て市街地に行ってしまうという現象が起きているらしく、巷では、観光客が減ってシカ煎餅をもらえないために市街地に出て行ってしまっているのでないか?という噂があるが、実際には、シカ煎餅は単なるおやつで、エサは十分にあるため、そんなことで市街地へ行っているわけではないらしい。
実際の理由は、鹿の習性で、
発情するとウロつく
ということらしい。
その記事を見て「それって、ヤギでも一緒なんじゃないか?」と、思ったのだ。
CHARは、ボチボチ発情を迎えようとしていた。
もしかすると、発情を迎えてウロウロとうろつきに行ってしまったのではないか?
もしそうであるのなら、肉食動物に襲われていなければ、そこら辺をウロウロしていて、もしかしたら、適当な時期に戻ってくるかもしれないという期待がある。
犬や猫など、行方不明になりながらも、ある日突然ひょっこりと帰ってくる事があるが、それと同じように、ひょっこり帰ってくるかもしれない。
もう一つの可能性として、盗まれてしまったということも、非常に低い可能性だが、ないこともないかもしれない。
その要因となったのは、CHARが行方不明になった当日、静岡新聞が報じた記事に「黒ヤギ二匹盗難か?」というものがあった。
富士宮市山宮の「やぎの木登りカフェ」で1日夜から2日朝にかけて、飼育していた黒ヤギ2匹が姿を消した。運営会社の富士博園は何者かに盗まれた可能性が高いとして2日、富士宮署に被害届を出した。
富士博園によると2日朝、飼育員が出勤するとカフェに隣接するヤギ広場裏口の網が破られ、黒ヤギ2匹の姿が消えていたという。黒ヤギはともに生後10カ月ほどの双子で、6月には出産を控えていた。黒ヤギは20万~30万円で売買されることがあるという。
飼育員の斉藤佳代さん(45)は「大切に育ててきたので、何とか返ってきてほしい。子どものヤギだから心配」と声を落とした。富士博園は黒ヤギの目撃情報を募っている。連絡は同園<電0544(27)1870>へ。
静岡新聞
この記事の中に「20万〜30万円」という記載がある。
その金額を見た人たちの多くは「ヤギって意外と高いんだなぁ」と思ったはずだ。
そのことを知った後であったら、黒ではないが、茶色い小さなヤギが道端にいルのを見付けたら『持って行ってしまおうか』という考えが浮かんでも不思議ではない。
と、ここまで書いて気がついたのだが、この記事、CHARが行方不明になった翌日の4日の記事だった・・・^_^;
まあ、それはさておき、そんな可能性もあるかもしれないと思い、役場、警察、動物愛護センターに保護さていないか確認しても見つからなかったため、念のため、盗難の可能性も考えて、警察署の刑事課を訪ねた。
人生初、刑事課へ行く
刑事課というところは、テレビドラマの中でしか見た事がない。
警察署の1階は、運転免許のこととか、落とし物のこととか、一般人もよく出入りしている場所なのだが、刑事課は2階にあるそうで、階段を登って行った。
すると、ドドーン!と
【ここから先、立ち入り禁止】
と、書かれている。
「おっ、おおっ、、、」なんだか、重々しい雰囲気、暗い廊下、壁には一面指名手配犯のポスターが貼られていた。
『チャイムを押してお待ちください』と、書かれていたので、チャイムを押して待つ。
待つ、
待つ、
待つ、
人は、何人も通り過ぎて行くのに、いくら待っても、誰も何も言ってこない。
『う〜ん』まあ、国家権力とはこういうものだということはわかってはいた。
常に『自分たちの方が、一般市民よりも “上” 』という意識はあるのだろうけど、それにしても。
もう、帰ろうかと思っていたところに、声をかけられた。
「(誰か)対応していますか?」と。
おぅ、ようやく。
「いえ、何も」そう答えてから1、2分で刑事さんが対応してくれた。
刑事課に来てヤギが行方不明だとかいうのは、本当に些細な出来事で申し訳ないと思いながらも、新聞記事に『一匹20万〜30万』なんて出ていることを考えると、盗難の可能性も否定できないし、静岡の双子黒やぎは妊娠しているので、仮に二匹づつ生まれたとしたら、双子+子供四匹なら、なんと180万円にもなる可能性があるのだ。(実際には、そんなに高く取引されないと思うけど)
そう考えれば、うちのCHARも・・・
刑事さんは、長々と対応してくれて、僕にこう聞いた。
「犯人を逮捕したら、どうしたいですか?」
と、「んっ?」
どうしたい?そこは、どうでもいいんですけど・・・
僕は、CHARが無事に戻ってきたらそれだけで・・・
どうやら、罰したいのであれば【被害届】を出す手続きをして、そうでないのなら【相談書】というもので、警察全体で情報共有するというものがあるらしい。
僕としては、犯人がどうとかは、どうでもいいので「じゃあ、相談ってことにしておいてください」として、警察署を出た。
裁判員裁判へは、絶対に行きたくないなぁ
「犯人をどうしたいですか?」この質問は、僕の中になんだか変な感覚を残した。
現状、目の前に、感情を逆撫でするような犯罪者がいたとすれば、それは「死刑にしろー!」とか、思うかもしれないが、何もない中で、冷静に「どうしたいか?」と聞かれても、答えが難しい。
かと言って、犯人が目の前にいて、自分の感情がたかぶってしまっている中で、重大な判断など下せるはずはないし、絶対、後で後悔する。
裁判員裁判というものは、裁判官の “人を裁く” という罪の意識を、国民に肩代わりさせるようなものではないのだろうか?
窃盗程度の軽い裁判ではなく、殺人などの重大事件の裁判をさせられると聞く。
そう思うと、絶対に、裁判員になどなりたくない。
特に、死刑判決などを出してしまったら、一生忘れられず、怯えながら生きなければならないような気がしてしまう。
「あ〜、怖い、怖い」