千代田区役所へ行って、転出届を出した。
転出証明書を受け取ると、18年間過ごした大都会東京をいよいよ去る日が来るのかと思うと、若干感慨深い想いになった。
19年前に、一旗上げる!と言う思いで、借金に借金を重ねて捻出した東京行きの引越し費用。あの頃は、サラ金の金利が29.4%とかだったから、利子を支払うだけでも必死だったのを思い出す。
今でも、会社の借金はたんまりあるが、住宅ローンという長い長い年月の借金とは、あと1ヶ月で決別する。
思えば、16歳の頃から、借金がなかったことはないなぁ。
東京という街は、夢を追いかけて叶える日は最高の場所だった。
どこでもできることかもしれないんだけど、東京にあって、地方にないものの中で、僕が最も大きくて重要だと考えてきたもの、それは、空気とか雰囲気とか、エネルギーとか熱気とか、そういったものだった。
ここにいるだけで、都会のエネルギーが感じられたし、何か強烈な渦のなかにいるような気がしていた。エネルギーも非常に高く強い感じがする。
ただいるだけで、それらを感じることができたのは、東京、それも、都心の一等地にいたからに他ならない。
しかし、強烈なエネルギーにさらされ続ける、心と体は、それだけ疲労もするし、溜まってくる。
それを、他の場所へ行ってリセットしようと思うのが「旅」なのだが、上京して19年、東京に住んで18年、都心のど真ん中に13年いたら、もう、リセットのしようがないほどになってきた。
東京が嫌いではなく、東京は大好きな街だ。
でも、ここら辺で、ちょいと心と体とリセットしに山へ行く。
人が生み出した東京のエネルギーではなく、今度は、地球が生み出した大地のエネルギーで満たされようと思う。
それでも、月に1回は東京に来るけどね。
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