人生初、電車にカバンを置き忘れた。
そんなことをよく耳にはするが、自分がやるとは思ってもみなかった。
網棚にカバンを置き、扉のそばに立っていたのだが・・・
手書きアプリで、文章をガツガツと書いていたのだ。今日は、調子が良くて、どんどん言葉が出てくる。
さらに、扉付近に立っているため、降り過ごすこともなく、無事に目的地の三田駅に到着した。
そして、そのまま「ポンっ」と、電車を降りた。その後も、続けて文章を書き、書き終わって「さて、行くかな」と、思ったら、当たり前のようにあるカバンがない。
「あれっ?・・・やっちゃった」
網棚から下ろさずに、電車を降りてしまった。
日本では、財布を落としても、中身がそのままで帰ってくるケースが多いと言う。
それを信じて、「まあ、大丈夫だろう」とタカをくくって、駅の遺失物係へ行った。駅員さんも、とっても丁寧に、電車を追いかけて、到着した駅で探してもらった。
が!出てこない。
別の電車も探してもらったがない。
・・・マジで。
駅員さん曰く「以外と、折り返してきた電車に、そのままあることも」と言うので、乗ったであろう電車を追いかけてみることにした。
乗った電車は、「三崎口行き」三崎口?知らんなぁ
と思ったら、横須賀の先、三浦半島の先端だった。すげー遠くまで行くんだね。
三崎口まで行けば、全員降りるから、さすがに、カバンがあれば、遺失物としてネットワークに登録されるとのこと。三崎口到着は、16:38だったので、まずは、横浜まで行って、その時点で16:40なので、聞いてみることにした。
これでなかったら、やばい。
財布の中には、いつもよりも結構多めの現金。カードは保障されるからいいとして、あと、会社と個人の実印が入っているのだ。さらに、印鑑証明も。
めちゃめちゃ運が悪かったら、悪知恵の働く人の手に渡ったらヤバイよぉなんて考えながら、横浜の先、上大岡駅で下車して聞いてみる。
「ありましたー」
やっぱり、終点、三崎口まで行っているようで、そのまま、三浦半島まで旅に行くことに。
ずいぶん遠いところに来たけど、こんなところまでも、乗っていれば着いちゃうんだなぁ。
改札出てないから、料金は1円もかかってないんだけど、これはこれで、いい旅だったかもしれない。
いつも、「田舎に行きたいなぁ」とぼやいていたので、カバンくんが連れて来てくれたのかもな。
改札出てないからわからないけど、田舎って言っても、やっぱ、ど田舎じゃなければ、どこも、そんなに変わらないかもしれない。
そう考えると、都会暮らし+田舎にバカンスがいいのかもしれないなぁ。
電車の窓に映る自分を見ていると、田舎っぽい自分よりも、やっぱり都会っぽい自分の姿が好きだ。
家ではジャージだけどね。
カバンの中身は、何ひとつなくなっているものはなく、そのまんま戻って来ました。
一件落着。
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