うちのマンションから、富士山が見える。
周りはマンションだらけだけど、ちょうど、エレベーターホールから富士山まで抜けてるんだ。
マンションを買うときは、まだ建ってなかったから知らなかったけど、ちょっとしたギフトのようなものだった。
やっぱり富士山はいい。
今は、雪がすっぽりと被っている。
写真では、あまりクリアには見えないけど、今の冬の時期は、肉眼では、かなりクリアに見えるんだ。
朝、出かける時、富士山が見えると「今日も、いいことありそうだ」と思って出かける。
3年前に、富士登山を登った時に「もう体力の限界だ」と思って、富士登山は最後だと決めたが、やっぱり富士に行きたいと思ってしまう。
初めて、富士山に登ったのは、二十歳くらいの時。
夜登って、頂上で朝日を拝む予定だったけど、寒すぎて、パーティーの中で、僕だけ断念した。
それから10年後に、2度目の登山。
その時も、散々だったけど、なんとか頂上に行けた。
それから、3年に2回のペースで登っている。
いつも、山が何かを教えてくれる。
はじめは、パワーが入ってくる気がしていた。
何度目かの時に、大阪から来ていた、児童施設の子供達と一緒になり、僕たちのパーティーと、子供二人が一緒に登ることになった。
一人の女の子と、僕は手をつないで登っていた。
もともと、非常に体力がない僕は、少し登るだけでヘトヘト。
方や、子供は、体力が有り余っているのか、めちゃめちゃ元気。
歩きながら、彼女は、僕に質問攻撃。
「マークの好きな色はなに?」
「マークはどこに住んでるの?」
「マークはなんの仕事をしているの?」
・・・
その質問に、ゼイゼイ言いながら、必死に僕は答える。
さらに、おとなしく登っているのではなく、
あっちに行ったり、こっちに行ったり。
富士山は、とっても高い山なので、ある程度の標高からは、木々がない。
そして、火山岩がゴロゴロしていて、登山道から少し外れると、小さな石が下に落ちたり、自分たちが砂に滑って落ちそうになったりもする。
結構、危険な地帯が多い。
なので、僕は、ゼイゼイだけなく、ヒヤヒヤしながら、彼女を追いかける。
登るだけでも大変なのに、あっちに行ったり、こっちに行ったりする彼女を追いかけなきゃならない。
さらに、「危ないよー!」とか「そっちはダメだよー!」とか、叫ぶ。
さぞかし、いつもよりも体力を消耗すると思ったのだが・・・
実は、あまり疲れなかったのだ。
なぜなのか?
僕は、この登山で、富士山からだけでなく、小さな天使からも、人生を教えてもらった。
それは、いつも上ばかり見て人生という山を登っていた僕に、
「今」の大切さを教えてくれた。
今まで、富士登山の間、常に頂上を意識し、頂上まで、あとどのくらいか?
ということを気にしてばかりいた。
今日は、この辺で。続きは「富士登山と小さな天使が教えてくれたこと」みたいなタイトルで、また書きます。
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