ムカデに刺されたことは、不運なことか?

昨日の夜、ムカデに刺されたことは、前回のブログ「ポイズンリムーバーは時間との戦い」で書いた。
ブログ記事では、ムカデに刺されたということだけしか伝わらないが、実は、その前後にストーリーがあるので、それをお話しようと思う。

昨日の昼間、作業をしていたのだが、なかなか思うように進まなかった。
仕舞いには、枝につまずいて転んだ。
この日、僕の口から出るセリフは

「クソ!」

ばかりであった。
「クソ!」「クソ!」「クソ!」「クソ、クソ、クソ、クソ、クソ、クソーーーーーー!」と文句を言い続けていた。

もちろん僕にはわかっている、文句ばかり言い続けていても好転することはないし、さらに状況は悪化する可能性の方が高い。
集中力も落ちるし、冷静さも欠く、丁寧な仕事をしなくなり、そうしたことにより、いっそううまくいかなくなることはわかっている。

しかし、言いたかったのだ。

この日の夜、Netflixで映画版の「ザ・シークレット」を見た。
ザ・シークレットというのは、「引き寄せの法則」について解説したものが有名だが、今回のものは、引き寄せの法則が働く状況を物語にして、映画化したものだった。
映画にすると、本来言わんとすることがぼやけてしまうので、引き寄せの法則について理解していない人が映画を見ても、何がシークレットなのかさっぱりわからないだろう。

僕は、今まで、引き寄せの法則には、あまり興味を持たなかった。
わかりやすく解説しているため、それを聞くと『願望が叶う』というように捉えられがちだが、実際には、「願い」や「望み」など叶わない。
叶うのは『決めていること』なのだが、ザ・シークレットから、それを読み取るのは難しい。

ただネガティブな状況に関してはわかりやすい。
ネガティブな時というのは「どうせ、この程度だ」と決めている。

「自分は不運だ」と決めている人は、不運のままだし、「ろくなことがない」と決めている人も、本当にろくなことが起こらない。
昨日の僕は、ネガティブな思いを変更せずに、「クソだ!」と決めていた。
だからこそ、クソな出来事ばかりが起こり、その極め付けがムカデに噛まれることだったのだ。

「ムカデに噛まれることを自分が引き寄せた」という意見に対し、「そんなことはありえない」と思う人も多いだろう。
しかし、人がどう思うかはどうでもいい。
僕自身が、「決めたことは、引き寄せられる」と考えていればいいだけのことである。

翌朝、仕留め損ねたヤツ(ムカデ)を見つけようと、布団を取って干した。
マットレスも持ち上げてみた。
ついでに、買ってからまだ一度も反転させてなかったので、この機会にマットレスを反転させ、ベッド枠も調整、ムカデがベッドの足をなるべく上がれないように、足の部分にガラスコーティング をしてツルツルにしてやった。
ベッドの下の隅っちょに溜まっていた埃も取り払い、いらないものを外に放り出した。

そこで気がついた。

ムカデに刺されなければ、ポイズンリムーバーの効果を実証できなかったし、ヤツを仕留め損わなければ、ベッドの反転してないよな〜」と

ムカデに刺されたという出来事だけをみたら、不運なことで終わってしまうが、その前後をみてみると、必ずしも起こらない方がよかったというわけでもないことがわかる。
おかげで、ポイズンリムーバーは早ければかなりの効果があること、さらに今日わかったことは、痒みや熱が出てきたら、その度に吸い出すことでその後もひどくならないことなどを知ることができた。

ムカデの毒素は確かに強烈だが、世の中には、もっと強い毒性を持つものは多い。
その時のための予行演習だと思うことだってできる。

しばらく前に、車椅子に乗った老婆が、スズメバチに襲われ亡くなったというニュースがあったのを思い出した。
その時、車椅子を押していた、施設の職員は老婆を置いて逃げてしまった。
老婆も、ハチを追い払おうとして、手を振り回したらしい。

ハチを払おうとすれば、ハチの方は攻撃されたと感じて、逆にひどく刺してくる。
賢明なのは、その場から素早く立ち去ることだったのだが、施設の職員が対処法を知っていて、素早く車椅子を押して離れれば、刺されたとしても死亡するまでは至らなかっただろう。
そして、救急隊が行ったかどうかわからないが、まず、毒を吸い出すということを、やっていたら、結果は変わっていた可能性がないとは言えない。

今の時代、知識というものは、昔ほど重要ではなくなっている。
現代では、ポケットの中にあらゆる知識を持っていて、検索することで、様々な情報を手に入れることができる。

しかし、【経験した上で、知っている】ことというのは、単に頭の中だけで分かるというものではなく、体が記憶しているし、頭の中でも今までの経験則と知識に基づいて、分析した上で答えを導き出せる。

さらに重要なことは、単に知っているだけとか、検索すれば出てくるから大丈夫だと考えるのと、全く違ってくるのは、危機に対する心構えである。
ムカデに刺されたり、スズメバチに襲われたりすると、通常の思考が働かなくなりパニックになる。
そうなると、スマホを取り出して検索するとか、冷静になって考えてみるなど出来なくなり、一刻も早く病院に行って医者になんとかしてもらいたいという思い出いっぱいになるだろう。
スマホを取り出しても、119をダイヤルするのが精一杯だ。

ところが、経験則というのは、知識を得るだけでなく、冷静さも養われる。
以前に経験したことがあると、パニックにならず、落ち着いて適切な対処ができるようになるものなのである。
もしかすると、これが、最も重要な要素かもしれない。

すでに起きたことは、起きたことで、これでいい。
そして、そこから学びとること、経験として、知識として、身に付けること。
さらに、同じようなクソ的出来事を防止するように対処しておくこと。

いちいち「クソ!」と、言い放って、終わりにするのではなく、「さてどうするか?」と考える習慣を身につけたいものである。
今回の件、不運に見える出来事だったが、結局は、、、

オレは、運がいい

のである。
誰かが毒牙にかかったときにでも、冷静にポイズンリムーバーで対処してあげられるし、今回学んだ、痒みや腫れが出たら何度も吸い出すという技も役に立つ。
蚊に刺されたと言って簡単に考えず、吸い出すことで症状は軽くなるかもしれない。
もしかしたらムヒよりも効果的かもしれないのだ。

どんなことでも素晴らしい知恵になるな。
ウムウム。

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