モモ:ミヒャエル・エンデ作 岩波少年文庫

「モモ」という小説を読んだ。

どちらかというと子供向けの本なのだが、
この本の中には、とても大切な事が書かれていた。

テーマは「時間」

少し時間とは関係がないけど、
先日、感じたことを書きたいと思う。
それは、所要で中目黒へ行ったときに感じたことなのだが、
「初めて中目黒にキター」と思ったのだが、
駅名に「中目黒」と書いてあるだけで、
どこも似たような駅、銀行、飲食店、カフェ、道路、人・・・

どこに行っても、全国チェーンのような建物や店ばかりで
どの街も大して差はないなぁと感じたのだ。

「効率化」というのは、
時間に限らず、今まであったものを「不便」から「便利」に変え、
人にとって良いように見えるものに変わっていった。

僕自身でも、会社を経営しているいじょう、
「効率化」というのは外せないところではある。
しかし、「本当に大切なもの」まで見失ってはいけないと思っている。

お金という物質は、
決して、価値を金額に比例して交換されていないことに
気がつかないといけない。
同じ商品でもサービスでも人によって感じる価値は違う、
本当は、受け取る側が感じる価値に対して対価を払うのが良いと思うのだが、
そういうようにうまくいってない。

「損したー」という想いがなければ、
大概は受け取る側は、最も低い価値で品物やサービスを受け取っているように思う。
特に、目に見えない価値を受け取っていても、
売る側が、その価値を価格に反映していないときに起こる。

うまく価格に反映している代表的な例は、
ディズニーランド、ブランドショップ、スターバックス、アップルなどの
アメリカ的なマーケティングが駆使されているところだ。

昔ながらの「温かい空気感や安心感」を与えてくれる店は、
それが価格に反映されていないため、資本力に押しつぶされてしまうことがある。

もっとひどいのは、投機やカジノ、賭博、パチンコなどだ。
利益が出るように見せかけて餌で釣り、結果としてはごっそり奪っていく。
金融は資本主義社会にとても大事だが、実質社会とあまりにもかけ離れて動いていくお金が
現実を生きている人達の首を絞めていることは確かだろう。

そうなると、持てるものはより持つようになり、
持たないものはより持たなくなる。

そして「働けど働けど我が暮らし楽にならず」となるわけだ。

もっと働かないと生きてゆけない。
そう思って働き蟻のように働くか、
もしくは、投機や賭博に走って一攫千金を狙うか
または、誰かから奪う努力をするか、
価値のないものに、さも価値のあるように見せかけて売り逃げるか・・・

勝ち組だとか負け組だとか、成功だとか失敗だとか、
年収がいくらあるだとか、預金通帳にいくら入っているとか、
高級なものを持っているだとか、高級車に乗っているだとか、
億ションに住んでいるだとか、現金で買っただとか・・・

これからの時代は、そんなことは全く価値が無くなる気がする。
本当の幸せとは何か?生きる意味とは何か?なぜ生まれてきたのか?
そうしたことを追究する時代になっていくと思う。

その時に「時間」というものが、
僕たちに与えられた素晴らしい贈り物であることが分かる気がする。
そして、この本はそんな時間の尊さを教えてくれる本だと思う。

サラサラと読める本なので、ぜひ。

モモ (岩波少年文庫(127))/岩波書店

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