僕が欲しいのは、「家」という物質ではない。
「家を建てる」という経験が欲しいのだ。
そこが、一般的な人たちとの違いだと思う。
みんな、「家」は、完成したものを買う。
そして、そこで「暮らすこと」や「所有すること」を目的としている。
もちろん、建った後は、僕も「暮らす」という経験をすることになる。
けど、「所有する」のはどうでもいいのだ。
僕が建てたその家に資産価値などがあれば別だが、それはないので、所有して維持されることは、あまり考えてはいない。
そう、僕は、プラモデルを作りたいのであって、プラモデルが完成した後は、大して興味はないのである。
もちろん、家は、改造の余地があるので、完成後も暮らしを充実させるために、いろいろと改造するだろうから、完成後もほったらかしとか、住まないということではない。
そして、さらに、みんなと違うのが、失敗も大歓迎だってこと。
今は、木を切るという段階だが、木を切って谷底に落っこちていく・・・ノープロブレム!
1本や2本、使えなくなったところで、どうということはない。
これが、人の土地だったり、委託された伐採だったら、そうはいかないけど、自分のところの土地で、自分のところの木なのだから、誰に文句を言われるわけではないというのがいいところなのだ。
今後にしてもそう。
製材の段階で、きっと失敗してダメにしてしまうこともあるだろうし、建てている途中で、なんか間違ったりすることもあるだろう。
柱を折ってしまったり、切りすぎたり、削りすぎたりするだろう。
ガラスを割ってしまうとか、いろいろ壊してしまうこともあるだろう。
でも、ノープロブレムなのだ。
それら、全てを経験したいがために、僕はやるのだ。
僕の人生で、最も大事なことは経験だと思っている。
だから、なんでも経験したいのだ。
危険なことでも、困難なことでも、経験しないで、完成品が与えられても、ちっとも面白くもなんともない。
「完成品させてやったから、代金よこせ」と言われても、僕にとっては逆。
「面白いところやりやがって、やらせてやったんだから代金よこせ」といいたいくらいだ。
というわけで、先は長いが、やれるだけやってみるのだ。
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