最近は、1日1食という人が増えている。
僕も、40歳を超えてきた時に、どんなにがんばっても腹が出てくるので、食事の回数を減らすほうがいいと思った。
一時期、夜眠たくなってしまうことを緩和するために、夕食を野菜と果物だけにしたことがあったが、そうすることで消化にエネルギーが使われず、夜の仕事がすこぶるはかどったことがあったのだ。
若い頃は、面倒だっただけだけど、朝食なしで1日2食ということもやっていた、撮影業をするようになり、午前中のエネルギーが必要になったので、朝食は食べるようになった。
それから、結局は、1日3食を食べているのだけど、先にも書いたように、40歳を超えてくると、新陳代謝が落ちてくるため、カロリーを減らしたほうがよくなる。
そこで、ほとんど、肉を食べない、魚類などの動物性の食事も多く摂らずに、野菜中心の食事に切り替えていたのだ。
しかし、昨今、芸能人がやっていることでも話題になっているが、1日1食という人たちが増えている。
ほとんどの人は、夕食1食とのこと。
これは、夜に会食がある人が多いようで、どうしても、脂っこいものやお酒が入るので、カロリーの1日分を、夕食1食で摂取してしまうためではないかと思われる。
僕の経験的には、エネルギーを最も多く使うのは頭だと思っている。
ただ、頭と一言で言っても、どの程度、使うかによるので「そんなことはない。体だ!」という意見が出るのは当然なのだが、僕の考えはこうだ。
小さいくせに、動かし続けていると、ずいぶんと腹が減る。
ただし、40歳を過ぎてくると、頭ばっかり使っていても、ハラは出るということはわかった。
それは、もしかしたら、頭に行くエネルギーと体に行くエネルギーと、ちゃんと分けてあるのかなぁ?なんてことも思える。
当然、両方きっちり動かなければならないわけだから、頭を動かしていてエネルギーの全てを使うわけにはいないのは、体がわかっているのだろうから、ちゃんとストックしてあるのではないだろうか?
さらに、頭ばかりを動かすことができないようにもなっているのではないだろうか?
もっと言うと、体も動かさなければ、血流が正常に頭に回らなかったり、エネルギーが回らなかったり、気が滞ったりしてしまって、結果、頭のフル回転ができなくなってしまうのではないだろうか?とも思う。
僕は、42歳でフルに働くのをやめてしまった。
なので、体も使わず、頭も使わない生活を、1年半ほど送っていたのだが、その間、当然ながら、ブクブクと太っていた。体内の酸素量が減り、階段は登れないし、腕立て伏せが1回もできなくなってしまったのだ。
体も頭も使わず、やることもないので、結果、心も病んでいった。
そうした結果は、わかっていたことだったんだけど、一度、実験してみたかったのだ。
動物には、死がある。
死の意味を知るには、死なないといけないけど、死んでしまってからでは、死の意味を理解し、生きるために活かすことができない。(もちろん、来世には活かせるだろうし、今までだって死んでいるだろうけど)
そこで、実際には死なないが、肉体の死ではない死を体験してみることにしたのだ。
その死とは、「社会性の死」だ。
社会とのつながりを断ち、孤独に生きる。
人や社会や未来に役に立っていない自分は、死んでいると同じだと僕は思ってきたので、何もしていない自分は死んでいると感じるのだ。
とはいえ、本当にすべてを断ち切るわけではないが、今まで生きてきた多くのつながりを意図的にOFFにして生きてみる。
そして、あたらしい繋がりはもちろんあるが、最小限にしてみる。
もともと、社会との繋がりが薄い人には意味はないかもしれないが、よくある例が、バリバリ仕事をしてきたビジネスマンが、定年して急になにもやることがなくなってしまったときなどになるアレだ。僕の場合は、42歳でそれを経験してみたのだ。
そして、1年半ほど経過したときに、「こりゃヤバイな」と思った。
そのやばいは、心の状態もそうだったが、体の状態もやばかった。
その結果、始めたのが、近所にあったクラヴマガ(護身術・接近戦闘術)なのだが、人間とは不思議なもので、体を動かすことで、心の安定も得るようになれるのがわかった。
体重は、1ヶ月で1kgづつ減少して、体はどんどん適正な体型になり、心の状態も正常。
食事は、継続して3食だ。
そして、今年7月に、山へ行った。
そのまま、食事は3食である。
僕の結論としては、食事の回数など、何回でもいいのだろうと思う。
その人それぞれのライフスタイルでOKではないだろうか?
単に、摂取カロリーと消費カロリーのバランスというだけの問題だと思われる。
体を使う人、頭を使う人、両方使う人、使わない人。
僕は、食事の後、頭の回りが遅くなることを経験しているので、頭を主に使う人は、1日1食夕食のみというスタイルは合っているように思える。
どうしても、まともに食べると、内臓にエネルギーを使うし、やっぱり、頭のエネルギー消費量は大きい。
そう思うと、朝から昼間のうちは、果物や野菜で済ませ、足りない分は、夜に摂るのが理想的かもしれない。
僕の以前のライフスタイルでは、昼間に撮影を行なっていたので、朝と昼はそれなりに食べて、夜は頭を使うので、野菜中心という食事が合っていた。
現在も、昼間は体を使うので、同じようなスタイルが適切だ。
食事回数のいろんな意見があるが、結局は、自分のライフスタイルを適切に分析しなければ、適切な食事をすることはできない。という結論に達するように思える。
食事回数も、食事の内容(肉とか野菜とかお酒とか)も、量も、すべては、人それぞれ、自分のライフスタイルを適切に把握することから始めるべきだろう。
そして、食事だけに注目せずに、ライフスタイルを改善することも考えるといいだろう。
カロリー摂取量が多く、消費が少ない人は、食事回数を減らすこともいいかもしれないが、食事自体の量を見直したり、内容を見直す必要もあるし、人間が肉体を持っている以上、適切な運動量は必要だろうと思う。
都会に住み、運動をまったくしていない人は、どんなに食事を変えても、肉体の異常は避けられないだろうと思う。
僕自身が、それを強く実感している。
運動は嫌なので、食事でなんとかしようとしても、結果として、肉体の「死」
によって、肉体とおさらばする結果になるのは当然のことだと思う。どんなに嫌がっても、肉体を持っている意味がないのだし、肉体と離れるのが最も適切なのだから。
そういうわけで、食事の回数の前に、自分のライフスタイルをしっかりと分析することが大切であるということ。
ライフスタイルにあっていれば、何度でもいいし、何を食べてもいいし、量も適正なら、他人と比べて多い少ないと考える必要はないのだろうと、僕は思うのである。
-----