温かな朝の風

今朝、外に出ると、温かな朝の風を感じた。
温度計に目を向けると、9.9°Cを示していた。

天気予報によると、今日の最低気温は9°Cとなっている。
一月中旬にしては、とても珍しい。
だけど、どうやら、今日だけのようだ。
明日は、また1°C、明後日は、-1°Cとなる。

10°Cという気温が、温かく感じるというのは、冬以外では考えられない。
「体が慣れる」ということを、よく季節の変わり目などに聞くが、そんな感覚を今まで意識したことはなかった。

しかし、山の中、自然の中にいて、毎日、朝一番に外に出たり、洗濯も外、風呂も外、生活の多くを外で過ごすという生活をしていると、暖房を効かせた冬の室内や、冷房の効いた夏の室内にずっといるよりも、当然、こうした「気温に慣れる」ということは顕著に現れるだろうし、それを、感じる機会も多い。

冬の10°Cというのは、温かささえ感じてしまう温度なのだが、これが、夏の暑さに慣れた体が、秋に入ったあたりに10°Cなんて温度を経験すると、とてつもなく寒く感じる。
突然、暖房器に火を入れ「サブサブサブサブ・・・」と、ブルブルしながら温まろうとするのである。
逆に、冬が過ぎ、春になり、GWあたりに晴れると、夏の暑さには程遠いのに、とんでもなく暑く感じるのだ。

三年以上経って、初めてわかったこともある。
今、僕が住んでいる小屋のあたりは、谷を抜けた風が、沢の水の上を通ってくるためか、とても冷たい風が吹く。
そのため非常に寒い。

それが判明したのは、昨年、十五夜お月さんを眺めに、夜、山を登り岩場まで行った時だった。
このブログでも書いているが、上に登るし、岩場は、山の尾根なので、きっと風が強く冷たいのではないか?と思ったのだが、逆に、風もなく、気温も下の方が寒かったのである。

今の小屋は、朝日も、夕日も当たりにくい場所にあり、冬過ごすには合っていない。
元々は、二十数年前に、バーベキューをして、そのまま泊まっていけるように作った遊び小屋らしいので、完全に夏向きの仕様だということである。

初年度から、冬の寒さにはこたえていた。
気温が低いということではなく「日当たりが悪い」というのが、一番の問題だった。
お日様さえ当たれば、気温の低さなどは、あまり問題ではないように思えるのだ。

そう思うと、僕の中で、ふと疑問が湧いた。
オールシーズン、夏冬両対応の住宅など、出来るのだろうか?と。

一般的には、家は一つで、夏も冬も同じ家を使う。
しかし、お金持ちは、夏は夏の別荘へ行き、冬には冬の別荘へ行ったりする。

『定住』というのが当たり前になった現代だが、僕の中で、ふつふつと、また、現代の生き方に反する、古いLIFE STYLEの良さや大切さが見えてきてしまったかもしれない。
とは言え、遊牧民族のように、転々とするわけではないが、実際、定住しないで、いろんな場所に住むというスタイルをしている若者も多い。

昔は、友達の家というのが定番だったが、今では、ちゃんと、全国にサービスがある。
会員になれば、全国にある宿とは違った、生活ができる家、シェアハウスが用意されていて、どこにでも行って”住める”というものである。
そこに、一週間だけ居てもいいし、何ヶ月も居てもいいという仕組みだ。
古いのに新しい、以前からあることなのに、それを、ブラッシュアップして商業サービスとして展開しているのは、素晴らしい。

と、そんなサービスを利用して放浪しようというわけではなく、夏に過ごす家と、冬に過ごす家を分けてもいいのではないかと思っているのである。
今の小屋は、どう考えても夏向きの小屋。
それならば、冬対応の家を作るのがいいし、それに加えて、今の小屋では小さすぎるから、夏の家も欲しくなる。

別荘のように地域で分けるというのもいいが、同じ場所の中に、夏を過ごす家と、冬を過ごす家があってもいいように思えるのだ。
それは「家」でなくても、部屋でもいい。
良く日の当たる南側の部屋は、冬を過ごす部屋として、北面の部屋は夏を過ごす部屋として活用するという考えも良さそうだ。

春夏秋冬がはっきりとあり、夏は高温と共に高湿度、冬は低温と共に低湿度という日本の気候を考えると、一つの家でオールシーズンを過ごすというのは、本来、困難なことだったのかもしれない。
それを、現代では、高断熱と冷暖房により実現しているが、僕は『夏の家』と『冬の家』を作ることで、実現するというのが良いように思えてきた。

とは言え、二軒の建築を「やる」とは言っていないので・・・要検討ということで。


P.S
写真中央、木の向こうに光っているのは、朝日ではなく、例のゴルフ練習場の光である。
木の影に隠れる場所で撮影した。
まるで、朝日のようで、パンパンと手を打ちたくなるように思えるが・・・

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