ツンツンが黄金に輝く

黄金の麦

初めて四国を訪れたのが、2012年10月お遍路で来たときだった。
そして二回目が、ちょうど五年前の2016年5月15日に訪れていた。
僕がまだ、愛媛に移住する前で、そんな予定は、まったくなかった頃である。

五年前、僕は、四国の麦畑の風景に見惚れて(みとれて)いた。
麦が黄金色に輝き、ゆらゆらと揺らめいていたのだ。

今まで、田んぼに伸びているのは、稲しか見たことがなかったが、
四国に来て、初めて、麦畑を見た。
それも、一面、麦麦麦、麦だらけだった。
すべてが黄金色に輝いていた。

稲の場合も似たような色にはなるが、それを黄金色と表現するのには無理がある。
あれは、黄色とか、薄茶色とか、まあ、枯れた色というのが正しい。
しかし、なぜか、麦は金色に見えてしまう。なぜだろう?

そう思って、よーく見てみると、なぜ金色に見えるのかわかった。
麦の先端から出ている、ツンツンした針のようなコイツが原因である。
稲にはない。
この細い針のようなツンツンに光が透過して、黄金色に見えるのだ。

さらに、米よりも実が軽いのか、頭を垂れることなく、ゆらゆらと揺らめいている。
その揺らめきが、また、光をキラキラと輝かせている。

今まで、麦といえば、小麦粉しか知らなかったのだが、四国に来て、まずは、うどんの旨さに感心。
腰が強くても、固くない、それでいて、煮込んでも崩れず、腰の強さはそのまんま。
うどんと言えば、香川県がうどん県として有名だが、愛媛でも同様なレベルでうまい。

四国の土地柄、岩場が多く、水の保水力が低いため、稲よりも麦を栽培せざるを得なかった効用が、このうどんのうまさに現れている。
逆に、蕎麦は、まったく旨くない。
値段は、一端の蕎麦屋の価格ではあるが、とても、信州や富士の蕎麦には追いつけないどころか、月とスッポンくらいの違いがあるのである。

四国といえば、もう一つ、高知で有名なカツオのたたきがある。
藁を燃やして生のカツオを炙っただけだが、なんとも言えぬいい香りと焼き具合が、ものすごく旨い。
ただ、一度、高知へ出かけて行って食べたが、やはり、観光地の店では、それほどでもなかったのは残念な点。
逆に、愛媛にいて、観光客など来ないであろう店の、カツオのたたきが絶品で、うちの奥さんは、愛媛に来たら必ず、その店でカツオのたたきを食べるのだ。

うどんやカツオのたたきは、うまいのが標準になっているので、そこら辺で食べてもそれなりに旨い。
こっちのうどんやカツオのたたきを知ってしまうと、他では、あまりにもまずくて食えたものではないのである。
逆に、信州の蕎麦を知っていたら、他の蕎麦がまずくて仕方がない。

僕が、この四国に来て、よくよくわかったのが、その地域の【標準レベルがいかほどか?】ということだった。
当たり前の基準が他よりも高ければ、必然的に、標準レベル以上になるとするため、自分のレベルが上がっていく。
これは、中学生や高校生の時、名門校に入ろうとするのと同じことで、自分の周辺レベルを上げることで、自分のレベルを上げていく事につながる。
よく、お金持ちになりたければ、お金持ちの友人を増やしたり、お金持ちと一緒にいるようにと勧めるのも同じ原理である。

黄金の麦と、話が逸れたが、四国には、意外にもうまいものが溢れているし、美しく輝く麦畑もある。
四国といえば、お遍路くらいしか、行く理由が見つけられないという人は多いと思うが、結構、魅力がある場所なのである。

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