久々のカニ玉チャーハン(外苑前:かに漁師の家)

2005年5月25日、外苑前に写真スタジオ【ALIA photographic studio】をオープンした。
その時から、足繁く通っていた『かに漁師の家』そこで食べるのは、ほとんどいつも、カニ玉チャーハンだった。

この店、お昼の12時ともなると、店の前のみならず、階段にも並び、3階から上にはほぼ行くことができない状態になる。
それほど、人気の店だ。

ここのカニチャーハンは、ランチの値段としては、さほど安いわけではない950円だが『蟹』が入ってこの価格なら、文句はないと多くの人が思うのだろう。
さらに、チャーハン自体も旨いとくれば、行列が出来るのもうなずける。

僕自身も、外苑前にスタジオを作ってから、ランチは必ず外食だった。
そのため、近所の店はくまなく開拓。
とりあえず、1000円以下を基準にして、徒歩圏内のすべての店に1度は行っている。

その中でも、かに漁師の家は、来店回数上位である。
他にも、もちろん美味しいお店はたくさんあったが、10年の歳月の中、美味しくても、どんどんお店が無くなっていってしまうのである。

美味しいお店が無くなる訳

どうして美味しくて安くて、人気のお店が無くなっていくのか?
これは、昔から疑問であり、いつも不思議に思っていたのだが、僕の中で一つの推測ができた。

それは、以前から薄々と感じていたことだが、現在のコロナショックによる飲食店の窮状などを見ることで、飲食業界の経営実態というものがわかってきた。
よく、飲食店の仕入れコストは30%と言われ、人気店などは50%もかけているようなことが伝えられる。

仕入れに50%かけても、回転率を上げることで、利益を確保するというビジネスモデルである。
結局、こうしてコストをかけた安くて美味しいお店が台頭する中においては、仕入れコスト30%のお店などは、到底太刀打ちできず、仕入れコストを上げ、そのほかの人件費などを削減せざるを得なくなってくる。

しかし、それも、順調なお客の回転が維持されることを前提としており、コロナショックなどの予想外の出来事が起きれば、ひとたまりも無くなってしまう。
ただ、そうした薄利の経営であっても、内部留保が潤沢であれば、回復するまでの間、持ち堪えることができるだろう。

だが、小さいお店は違う。
美味しいお店が無くなってしまう理由として、ずっと思っていたのが、材料がいい割りに、価格が心配になるくらい安いということだった。
お客としては嬉しいことだが、少しでも、回転率が落ちると、たちまち経営が危うくなる。

それは、ほんの小さなことから始まる。
例えば、ほんの少しコストを抑えて、安い材料で提供するということをやる。
すると、お客はすぐに気が付く「不味くなったなぁ」と。

今まで、積み上げてきた、顧客への信頼が一気に崩れてしまう。
しかし、店側はそれを止めることができない。
なぜなら、ここから回転率が下がり、さらに経営を圧迫してくるからである。

そして次に行うのが、サイドメニューの押し付けである。
「ドリンクはいかがですか?」とか「サラダはいかがですか?」などと、押し売りとまでは言わないが、一言二言セールストークが入るようになってくる。
ファーストフードのレジ係が言うのなら、つっけんどんに「いや、いいです」と突き返せばいいが、一般的な店の、それも何度も来店し、何度も顔を合わせている人に言われるのでは、つっけんどんに突き返すわけにはいかず、「あっ、いやっ、とりあえず、今回は、いい・・かなぁ」なんて感じで、どもってしまう。
お互いに気持ちの良いものではない。
こうなると、またまた、店に行くのが億劫になり、遠ざかっていく。

こうして、経営はさらに逼迫してくる。
そして、次にいよいよ値上げをするようになる。
この時、落とした仕入れコストを元に戻すことも行われる。
が、時すでに遅しだし、元に戻して値上げでは、要するに単なる値上げであるから、それまでのお客は、価格の面でネックとなり、結局は店に行かなくなってしまう。

こうして、安くて美味しい店は無くなっていくのではないだろうか?
と、考えている。

かに漁師の家は、どうなのか?

僕が2005年から2015年まで通い続け、今でも、たまに行く中で、この店がやってきたことは、仕入れコストを下げることでも、値上げすることでもなく、

メニューを増やした

ことである。
メインのカニチャーハンはそのままに、カニパスタが増えた。

あっ、ちなみに、僕が語っているのは『ランチ』だけの話で、ディナーの営業のことはさっぱり知らない。
僕は、夜、出かけないたちなので。

メニューを増やすことで、お客の来店回数を増やしたのだ。
毎日同じ店に行くことはないが、メニューがいつも決まっていると、多くても週1、2回になる。
それを、メインの「蟹」は変えずに、パスタと言うメニューを増やすことで、来店回数を上げると言うことをやっていた。
現に、僕も、3回に1回はパスタを食べるようになり、来店回数が増えたのだ。

久々のカニ玉チャーハン

外苑前の昼時、コロナの影響によって、外苑前周辺の会社の多くはテレワークを導入し、多くの人々が出勤していない状況になった。
そのため、やはり客数は減っているようだった。
とはいえ、それでも、満席になるし、回転率も、さほど悪くはなさそう。
ただ、僕がいる間は、入り口で待つ必要のある人はいなかった。

味は相変わらずである。
ただ、僕の食が変化したことによって、以前ほどおいしさが感じられなくなっていた。
それは、やはり

化学調味料が原因だろう

化学調味料が入っていることを、自分の舌で感じることが出来るわけではないのだが、チャーハンを作る過程を見ていると、2種類の白い粉をそれなりの量入れているのが見える。
一つは「塩」だろうと思われるが、もう一つは、いわゆる「旨み調味料」という名の化学調味料であると思われるのだ。

さらに、サラダも、今では、自然栽培のサラダにドレッシングなど、何もかけずに食べるのが当たり前になってくると、普通の野菜にまったく味がないことがわかる。
だからこそ、サラダにドレッシング類をかけて食べるのだが。

一緒に付いてくるコーヒーゼリーの上にかかっているフレッシュ。
これは、単なる植物油であって、乳脂肪の類からできているものではない。
植物油を無理やり乳化して白くしているだけなのだ。

まあ、外食全般、ほとんど、美味しく食べることが出来なくなってきているのを感じているが、カニ玉チャーハンも、もう食べることが出来ないかもしれない。
今回のTOKYO行きで、会社のスタッフとの会食を、結婚式場内のレストランで、コース料理をいただいたが、実は、こちらも、今まで美味しいと思っていたものが、今回は、どうにも、おいしさを感じることが出来なくなっていた。
やはり、無農薬・無化学肥料の野菜でないと、美味しくないし、牛肉やフォアグラは、牛やガチョウのことが頭をよぎって、正直、苦痛を感じながら食べていたのだ。

『久々のカニ玉チャーハン』なんて、いかにも楽しみに美味しいものを食べたというような記事のタイトルではあるが、実際には、読んでいただいた通りの内容である。
あ〜、どんどんTOKYOが遠ざかっていくなぁ・・・

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